『アヴァンギャルド0チテン』インタビュー
KAQRIYOTERROR、5人の結束強まった1年間の集大成 1stアルバム『アヴァンギャルド0チテン』で見せた意欲と挑戦
KAQRIYOTERRORは2019年6月、幽世テロルArchitectから現在のグループ名に改名。さらに同年8月にはノア・ロンド、DKIが加入し、現在の編成となっている。本日9月9日にリリースされた『アヴァンギャルド0チテン』は現体制での初アルバムであり、1年の活動の軌跡と新しいチャレンジが詰まった充実作だ。サウンドと歌唱表現における自由度が抜群に増しているとともに、何より、貪欲にグループをよくしていこう、パフォーマンスを向上させていこうという現在のKAQRIYOTERRORの誠実さと結束を垣間見ることができる。5人に今の心境をたっぷりと聞いた。(編集部)
「お客さん側からの目線で考えられるようになった」(ロンド)
ーーKAQRIYOTERRORとしてこの5人体制になってから1年が過ぎましたが、以前と今を比べて変わらないところ、変化したところを聞かせてください。まずはグループとして変わらない点から。
心鞠游(以下、心鞠):メンバーの仲の良さだったり、ライブの勢いは絶対に変わってはいないと思います。
聖涙丸(以下、涙丸):勉強熱心でまっすぐに進む姿勢という根が真面目な部分は、全員変わらないですね(笑)。私と季はこの5人の中では一番早くに加入したんですけど、そこからも変わってないよね?
季:うん、ずっと変わってない。
ノア・ロンド(以下、ロンド):みんな、新しいものを吸収することに貪欲なんです。
涙丸:そこはこれからも変わらないと思います。逆に変わったことのほうが多くない?
心鞠:そうだね。それこそみんなの精神面というか、中身が強くなったと思うし。あと、みんなの器も大きくなったり丸くなったりね。
涙丸:曲の感じも以前とは変わってきて。再録アルバム(2020年2月発売の『Cultural Mixture』)と比べるとわかると思うんですけど、以前は歌詞に比喩・暗喩表現が多かったのに、今はどストレートでまっすぐに攻めるみたいな歌詞が多くなったかなと思います。
心鞠:攻めて攻めて、攻めまくるみたいな(笑)。
季:曲が今の自分たちをそのままイメージしているような。
心鞠:歌詞がぴったりだったりするんですよね、この5人に。
ロンド:特に今回のアルバムはそんな気がするよね。
ーー新曲が届くたびに、自分たちとのシンクロ度合いが強まっていると。
DKI:そうですね。
心鞠:あと、曲のジャンルが広がりました。今までは「こういうのが幽世テロルArchitect」みたいなイメージがあったと思うんですけど、KAQRIYOTERRORになってからは新曲が届くたびに「また新しいのを持ってきたなあ! 難しい!」みたいな(笑)。今回のアルバムは特にそれがわかりやすく表れているんじゃないかな。
涙丸:ラップパートも増えて、可愛いのも入ってきたんです。そこに綺麗に歌い上げたり、めちゃくちゃスクリームしたりと、ジャンルレスなアルバムです(笑)。
DKI:そのおかげで、パフォーマンスの幅も広がった気がするね。
ロンド:この春からしばらく、新型コロナウイルスの影響でライブができなくて、配信という形でいろいろやっているんですけど、お客さん側からの目線で考えられるようになって。「動き方をこう変えてみようか?」「こう見せたらもっと綺麗に見えるよね」と話し合うことが増えました。
涙丸:一番苦戦したのは、立ち方なんですよ。
心鞠:配信を自分たちで見返したときに、引きの絵を初めて意識して。そこで立ち方とか佇まいが気になったので、「これはこうしないとダメだね」とか反省点が本当にたくさんみつかりました。
ロンド:ライブだと勢いで補っていたところが、配信でより細かく見られるようになったので、細かい修正点がよく見つかるし。
心鞠:冷静に熱くやらなくちゃいけないライブがテーマというか。配信もいつもと同じじゃダメなんだって。
季:私たちもお客さんが目の前にいないライブというのが今まで経験なかったから、すごく考えさせられました。
涙丸:あと、配信だと周りのメンバーのこともしっかり見られるので、反省会のテーマが明確になりましたね。
心鞠:修正点を1つずつ潰していけるようになりましたし。私たち、見た目はこんなですけど、みんな真面目なんですよ(笑)。
ーーいや、お話を聞いていてそう思いました。全員がそれだけKAQRIYOTERRORと真剣に向き合っているという表れですよね。
全員:そうです。
ロンド:結果的にプラスになって、良い機会だったなと思います。
「グループに対する想いはみんな一緒だからつながれる」(季)
ーー先ほど心鞠さんが「みんなの器が大きくなった」と言っていましたが、それは慣れや理解から心に余裕ができたからなんでしょうか?
ロンド:特に私とDKIは、1年前は入ったばかりで、お互い「どう見せていこうか?」と模索していこうとするタイミングだったので、この1年でだいぶ変わりましたね。
DKI:それこそ、お披露目ライブの日のことは正直あまり覚えていなくて(苦笑)。目の前のことに精一杯で、周りが全然見えていなかったので、そういう意味では成長できたのかなと思います。
ーーこの5人の中で、誰が一番変わったと思いますか?
全員:えーっ?(笑)
季:みんな同じぐらい変わったよね。
ロンド:しかも、各々変わったところが違うから。
DKI:得意なことはどんどん伸ばして、苦手なことがあっても諦めず、人に聞いたりしてみんなで補い合っているというか。
心鞠:あ、1年前と比べてみんなが意見を出せるようになりました。
季:私はもともと伝えるために言葉にすることが苦手で、言葉がなかなか出てこなかったんです。「言わなきゃ! 言いたい!」って気持ちはずっとあったんですけど、昔はそこから前に進めずに流れてしまって。でも、最近は意見を言いたいときに手を上げるようになって(笑)。それから、意見を言いやすくなりました。
心鞠:「今から喋ります!」と宣言することによってみんなが聞く姿勢にもなるしね。
ロンド:私は意見を言うことはできるんですけど、言いたいことをまとめるのが苦手で。私の場合は「ゴメン、ちょっと待って。一回まとめるね?」ということが、この1年でできるようになりました。
ーーそうやっていろんな経験を重ねて、お互い刺激し合いながら成長しているんですね。
心鞠:本当に一緒にいる時間が長いので。
涙丸:こないだなんて初めて合宿までして。数日間、朝から夜までずっと一緒だったんですよ。
心鞠:朝から走って、筋トレして、30分縄跳びしてみたいな。あとはひたすらライブの練習をして。
ロンド:完全に体育会系部活の合宿だったし(笑)。
季:で、ごはんも自分たちで作ったんです。
DKI:それで同じ部屋で寝て。
心鞠:しっかり青春して帰ってきました(笑)。
ーーめちゃめちゃいい話じゃないですか! 大変だけど活動を楽しんでいる様子が、皆さんのお話からちゃんと伝わってくるんですよ。しかも、ただ仲が良いってだけじゃなくて、もっと深いところでつながっているというか。
心鞠:見た目も中身もすごくバラバラだけどね(笑)。
ロンド:1年かけてギュッとした気がします。
季:グループに対する想いはみんな一緒だから、そこでつながれるんです。
涙丸:いいこと言った!