三代目JSB、「空に住む ~Living in your sky~」はどんな曲? 映画を引き立てる歌声やメッセージ性に注目

 まず冒頭の明るいコード感でピアノだけがゆったりと響くイントロと、誰かに話しかけるような今市隆二の柔らかな歌声でこの曲は始まる。そこからツインボーカルの繊細な掛け合いのなかで少しずつ音数が増えていくのだが、あくまで大仰になりすぎないシンプルな構成となっているため、どこまでも歌声と言葉がじっくりと響いている。それにより詞の持つメッセージが強められるだけでなく、この暖かくも静謐な聴き心地のあるサウンドそのものが、直実が静かに暮らすマンションの一室のような“空間”を感じさせる音像を体現している。今回の映画においても“映像美との調和”として大いに楽しめることだろう。

 そして、詞と小説を読み解く限りでは、この「空に住む ~Living in your sky~」は喪失感と向き合い悼むための歌であると考えられる。この詞における〈僕〉は明らかにもう〈あなた〉の傍には居られない存在として描かれているが、その〈僕〉の愛ある眼差しが歌を通して語られていくことで、転じて〈あなた〉ーーつまり喪失感と向き合いながらも今を生きる人々への賛歌となっているのだ。

 映画の中の3人の女性は、果たしてどのようにして自分の心と向き合い、喪失と孤独を乗り越えて、この「空に住む ~Living in your sky~」に祝福されるエンディングまで辿り着くのか。筆者には、〈はぐれた孤独を 繋ぎながら 僕らの空は広がる〉という詞がその答えのカギとなるように思えてならない。原作のなかの直実が周囲の真摯な支えと思いやりによって救われていったように、やはり寄り添えるような他者との繋がりこそが、心の開放への手助けとなるのではないだろうか。その答えは今、映画館にある。

■日高 愛
1989年生まれの会社員。『HIGH&LOW』をきっかけに大ファンとなったTHE RAMPAGEを中心に、LDH所属アーティストについて研究中。
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