鬼頭明里、磨き抜いた演技力で掴んだ“唯一無二の声” 『鬼滅の刃』だけではない、声優/アーティストとしての魅力

鬼頭明里
鬼頭明里『キミのとなりで』(通常盤)

 今週10月16日に『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が公開される。それにあわせて土曜プレミアム(フジテレビ系)では2週連続で『鬼滅の刃』<兄妹の絆>と<那田蜘蛛山編>が、地上波ゴールデンで初放送されるなど大きな盛り上がりを見せている。さらに、竈門禰豆子役の鬼頭明里が『しゃべくり007』(日本テレビ系)に出演したほか、我妻善逸役の下野紘は『ウワサのお客さま』や『逃走中』(ともにフジテレビ系)に出演し、SNSでトレンド入りするなど、作品だけでなく声優らにも熱い視線が注がれている。本稿では鬼頭明里に注目し、彼女のあまり知られていないであろう魅力に迫ってみたい。

バイトをしながら養成所に通った下積み時代

 『鬼滅の刃』の声優らの中でも、特にめざましい活躍を見せているのが鬼頭だ。鬼頭は、前述の『しゃべくり007』や『ザ!世界仰天ニュース』(ともに日本テレビ系)などにゲスト出演したほか、『鬼滅の刃』が社会現象となったことで、時の人としてたびたび情報番組でも取り上げられている。10月スタートのアニメでも、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』(TOKYO MXほか)ではおっとりキャラの近江彼方役を、『安達としまむら』(TBS, BS11)ではクールな不良少女の安達役、『トニカクカワイイ』では16歳で結婚するツンデレなヒロインの由崎司役と、それぞれメインどころを演じていることからも、彼女の声優としての注目度の高さがうかがえる。

TVアニメ『安達としまむら』 PV 第3弾

 しかし、そんな鬼頭もけっして彗星のごとく現れた、シンデレラのような存在ではない。ラーメン屋でアルバイトをしながら、声優事務所のプロ・フィットが運営する養成所に通い、2014年の声優デビューから約2年は名前のある役に起用されることはほとんどなかったという(参考)。頭角を顕すきっかけとなったのは、2016年のアニメ『僕だけがいない街』(フジテレビ系)でのヒロミ役だ。高山みなみや同じ事務所の悠木碧らとの共演が刺激になったのか、以降多くの作品でヒロインとして存在感を発揮している。たとえば『ブレンド・S』(TOKYO MXほか)では、ゲームオタクの日向夏帆を担当し、明るく天真爛漫なキャラを好演。さらに『私に天使が舞い降りた!』では、自信過剰なハーフの女の子、姫坂乃愛を演じた。『鬼滅の刃』の竈門禰豆子役でブレイクして以降は、『地縛少年花子くん』(TBSほか)の八尋寧々、『虚構推理』(テレビ朝日ほか)の岩永琴子といったメインキャラに抜擢される機会も増えているようだ。

アニメ「僕だけがいない街」/第一話~第六話ダイジェスト

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