J.Y. Park、キャリア凝縮した日本初ベストは最良の“餅ゴリ入門盤”に? K-POPというジャンル形成してきた功績を辿る
今年、日本において一躍“時の人”となったJ.Y. Park。NiziUを輩出した『Nizi Project』での名言や独自の人材育成術を通じ、これまでK-POPや韓国エンタメに興味のなかった層やオトナ世代の男性にも注目されている。一方、韓国では90年代から歌手、パク・ジニョンとして認知されている彼。25年以上にもわたるキャリアをぎゅっと凝縮したベストアルバム『J.Y. Park BEST』が日本で10月7日に発売される。なお、本国でも2000年以降のヒット曲を含むベストアルバムは発売されていない。今作は日本のリスナーへ向けて特別に作られた“餅ゴリ入門盤”といえよう。
アーティストとしてのプライドが詰まった19曲
アルバム全体の流れとしては1994年のソロデビュー曲から2020年の最新シングルまで、四半世紀のヒット作が時代順に並んでいる。中には『Nizi Project』で参加者たちがカバーに挑戦したものもあり、違いを聞き比べるのも面白い。個人的にはまず近年の代表曲「YOU’RE THE ONE」からスタートして今年発売の「When We Disco」までを聴くことをオススメする。そして、今のオトナなJ.Y. Parkを味わった後に、1曲目「Don't leave me」からラストまで聴き直してみてほしい。一貫してブレないブラックミュージックへの愛、そして要所要所で感じられるポップな楽しさ。さらに年月と共に増す色っぽさや音の変化に気づくはずだ。
シンプルにカッコいい正統派R&B「YOU’RE THE ONE」
「YOU’RE THE ONE」は、『Nizi Project』ではMAKOがオーディションの課題曲に選んだダンスナンバーだ。MVもコミカルさを完全封印、大人の色気とエンターテイナーとしての実力をこれでもかと見せつけてくれる。そしてサビの〈ノプニヤ〜(君だけだ)〉は思わず口ずさみたくなること間違いなし。8年前の曲でありながら歌詞の中に“僕が渡り歩くアメリカと日本”というワードが出てきており、当時から日本市場を重視していたのが窺える(ただ、ここまで自身がブレイクするとは予想していなかったはず)。今回のベストアルバムにはスローテンポのHappy Ending ver.が収録されている。“餅ゴリ”と気楽に呼べないほど、カッコいいJ.Y. Parkを存分に味わって欲しい。
NiziU RIKUのカバーが記憶に新しい「Who's your mama? feat. Jessi」
また、韓国を代表する女性ラッパー・Jessiとのコラボも話題に。『Nizi Project』ではピュアで健康的なイメージのRIKUがカバーに挑戦し、J.Y. Parkから「(この曲が持つ)遊び人の雰囲気をうまく表現していてビックリ」と称賛されていた。ひたすら女子のナイスバディを褒め称えるという歌詞が物議を醸しつつ、J.Y. Parkの代表曲であることは間違いない1曲だ。繰り返し聴きたくなる中毒性もある。
韓国では誰もが知るイントローーデビュー曲「Don't leave me」
グループでの失敗などを経て、J.Y. Parkがソロデビューを果たしたのは26年前の1994年。今回のアルバムの1曲目に収録されている「Don't leave me」で歌手として本格的な活動をスタートさせた。“規制だらけの放送局への反抗”だったという衝撃的なビニールパンツ衣装とセットで、この曲を覚えている韓国人も多いだろう。特にマイケル・ジャクソンの「Man In The Mirror」を彷彿とさせるキャッチーなイントロが印象的だ。去りゆく恋人への想いを歌う失恋ソングでありながら、希望が感じられるのはやはりポジティブな“餅ゴリイズム”ゆえだろうか。今でもライブを盛り上げるテッパン曲として歌い続けられている。