NCT 127、K-POPカルチャーを背負い“NCTの核”に 進化へのチャレンジ続ける精鋭チーム

 NCTが始動した大型プロジェクト「NCT 2020」。東方神起、SUPER JUNIOR、SHINee、EXOらを生み出したSMエンターテインメントによる、「K-POPの最新形態」とも言われているNCT。メンバーは多国籍で、人数に制限がなく、2016年の結成以降、NCT U、NCT 127、NCT DREAM、WayV、NCT 2018、そしてNCT 2020と、様々なコンセプトをもとに派生ユニットを誕生させてきた。

 10月12日にリリースする『NCT 2020:RESONANCE Pt.1』には、新メンバーを含め23名が参加。だが、発表された詳細を見ると、「Misfit」にはジャニー、テヨン、マーク、ヘンドリー、ジェノ、ヤンヤン、ソンチャン。「Dancing In The Rain」にはテイル、ジャニー、ユウタ、クン、ジェヒョン、ジョンウ、シャオジュン、チョンロと、複雑な構成で各楽曲を彩っており、これぞNCTの真骨頂ともいえる挑戦作になっていることが伺える。

NCT 2020 : The Past & Future - Ether

 一般的なグループアーティストと異なり、ユニット内のメンバー構成が固定されない新しさ。それゆえにその瞬間、その作品でしか見ることのできない輝きを放つのがNCTシステムの妙技なのだ。

 そんな型にハマらない躍進ぶりを魅せるNCTの中でも、その核とも言えるユニットがNCT 127(イチニナナ)ではないだろうか。1=イル、2=イ、7=チルという韓国の読み方から、127(イリチル)と呼ばれることも。

 “127”とは韓国・ソウルの経度に由来しており、その名には「ソウルを基盤に全世界へ進出していこう」という意気込みが込められているという。“NCTの核“と言いたくなるのは、そのスタイルがいわゆる“K-POPらしさ“のど真ん中を貫いているから。

 一般的に「K-POPらしい」という表現を使いたくなるとき、いくつか特徴がある。確かな練習量を感じずにはいられない圧倒的なパフォーマンス。表情やスタイルなど管理の行き届いたビジュアル。そして、力強くて速いビートに近未来を感じさせる幻想的な映像美……。NCT127はデビュー時から豊かな表現力と洗練された動きを見せてくれた。

NCT 127 엔시티 127 '영웅 (英雄; Kick It)' MV

 驚くべきなのは、「K-POPらしさ」を、多国籍で完璧に体現しているということ。テイル、ジャニー、テヨン、ユウタ、ドヨン、ジェヒョン、ウィンウィン、マーク、ヘチャン、ジョンウンの10人で構成され、現在は中国活動に専念しているウィンウィンを除く9人を中心に活動しているNCT127。アメリカ、日本、中国、カナダ、そして韓国と、実に5カ国の国籍を持つメンバーが集まっている。

 生まれも、育ちも、異なるメンバーが集まり、「K-POP」の真髄を習得。そして、身につけたその技術と美学を持ち、その上で多国籍である強みを活かして世界に羽ばたいていく。K-POP文化が築き上げてきた魅力をさらに深めて「進化」させていく。そのミッションを担った精鋭チームという印象だ。

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