Re:valeが示した“トップアイドルとしての独自性” 生きる全ての人に向けられたメッセージを聴き解く

Re:vale『ミライノーツを奏でて』

 2人組アイドルユニット・Re:valeの新譜『ミライノーツを奏でて』。今年6月の発売予定が新型コロナウイルスの影響などにより延期となり、表題曲のみが先行配信されたのち、シングルとしてのパッケージは8月26日にリリースされた。本記事では、この一枚が示す彼らの音楽性や、アイドルとしての独自性について考察してみたい。

 シングルの表題曲であり、コロナの影響により放送が中断されていたアニメ『アイドリッシュセブン Second BEAT!』(10月4日より放送再開)のエンディングテーマ「ミライノーツを奏でて」は、シンプルでラフな衣装に身を纏いつつ、自分たちのカラーを前面に出したジャケットやMVと見事にシンクロするような爽やかな一曲だ。

 鍵盤のイントロから始まり、百と千、2人のボーカルがまさに“織り成す”ように響く。キャッチーなメロディ、ソロボーカルとユニゾンが楽曲を立体的に見せる。そんなアイドルソングらしさもありながら、ボーカルを支えるドラムやベースはトレンドを取り入れつつ巧みに編み上げられ、ギターソロなども効果的に差し込まれている。ジャパニーズポップスとしてもこだわりが垣間見える、ユニークな一曲だ。

Re:vale「ミライノーツを奏でて」

 〈三千世界の緞帳 そっと飾りつける僕ら 一人一人に意味があるんだよ〉という印象的な歌詞にもあるように、一人一人という最小単位から始まり、Re:vale2人の表現を通して、広い世界へメッセージを発信していく。彼らのことを歌ったとても個人的な楽曲にも、または大きな世界の真理を歌っているようにも聞こえる。だが、どちらにせよこの楽曲が他人事ではなく自分のことのように感じられるのは、きちんとファンやリスナーの存在が前提にあるからこそ。“親しみやすいトップアイドル”という、特殊な立ち位置にいるユニットのなせる技と言えるだろう。

 この「ミライノーツを奏でて」を聴いてわかるように、百と千の信頼関係や仲の良さは、アイドルの個性として確立されている。2人が歌えばRe:valeになると言えるほど、2人にしか作り出せない音楽や世界観があるのも事実である。だが彼らは、彼らだけの閉じた世界で終わることなく、周囲やファンをその世界に誘い巻き込んでゆく。

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