『paradox soar』インタビュー
ゆくえしれずつれづれが表現する“素直な自分”と“互いを繋ぎとめる想い” 現体制初アルバム『paradox soar』インタビュー
「楽曲そのままのよさ、嘘のない感情を届けたい」
ーーそんな4人の個性が表れたソロ曲について伺いたいんですが、まずたからさんの「Arrhythmia」は歌ってみていかがでしたか。〈Because this story is mine.〉という言葉をシャウトで歌っているのが印象的でしたが。
たから:これも歌詞を見て「たからだな」って思いましたし、そうなりたいっていうのもあるのかもしれない。だからこそ最後のスクリームのメッセージにも強いものを込められたのかなって思います。
ーーそして「Mezzo Forte」が个喆さん。
个喆:はい。个喆は「死にたい」って言う人が嫌いなんですけど、自分が「死にたい」と思ったことがないっていうのがすごく表れてます。
ーー〈筋金入りポジティブ思考〉って歌ってますもんね(笑)。
个喆:あはは。もう自分すぎて聴かれるのが恥ずかしいくらい(笑)。でも、ちょっと優しすぎる曲だなって思うんですけど、自分はこんなには優しくないです。
ーーそうなんだ。最後に〈君とぼくで 意味なんてなくていい/生きるの〉で終わりますけど、そういう感覚は个喆さんの中にあるものなんですか。
个喆:个喆が好きな人たちは、あくまでも例え話としてイリーガルな生き方をしている人であろうが誰でも、本当に誰でも生きてくれたらそれでいいので、いなくなってほしくないなっていう気持ちです。人にはあんまり興味ないんですけど、好きな人たちには生きててくれって思う。
ーー例えば「illCosytus」の中に〈死にたい生きたい〉という繰り返しのフレーズがありますけど、个喆さんは「生きたい」の裏返しの気持ちとして「死にたい」を捉えていたんでしょうか。
个喆:うーん......そうですね。本当は生きたいのに「死にたい」って言うのは嫌いなので。そもそも死にたいと思ったことないしわからないから、やっぱり个喆のなかでは「死にたい」っていう気持ちは入ってないです。
ーーそこから15曲目「Existence Metaphysical」が小町さんの曲ですが、これはポエトリーリーディングが印象的な曲ですよね。そういう表現手法についてはどう感じますか。
小町:純粋に好きだし、自分の心の独り言を乗せるような感覚ですね。歌だとメロディの疾走に持っていかれちゃう部分がどうしてもあるけど、ポエトリーリーディングはそこを言葉でちゃんと繋ぎ止められるなと思います。だから今後、ポエトリーだけの曲が自分にもっとあってもいいのかなって(笑)。
ーーそしてラストの「Hue」で締め括られる流れが素晴らしかったんですけど、メイさんはこの曲についてはいかがでしたか。
メイ:この曲は『exFallen』に入っていたソロ曲の再録なんですけど、歌詞を書いていただく時に「メイはこういう人間です」ってことをたくさん喋ったんですよ。そうやって書いていただいた歌詞だったので、本当に全部そのまんまの自分で。夜中の4時くらいに歌詞もらったんですけど、泣きましたね。この歌でもっと強くなろうと思いました。もともとすごく寂しがり屋なんですけど、今はこの居場所があるから一人じゃないし、一緒にいるメンバー、群青さん、居場所を作ってくれてる人たちを裏切りたくないので、たくさんの愛を示したいなって常日頃思っています。
ーーそうやって輪が広がって行くのが見えるようなラスト4曲で、とても良かったです。今『Overdestrudo』ツアーを全国回っていると思いますが、今日お話いただいたような充実感も葛藤も様々なことを実感しているツアーだと思います。率直に感じているのはどういうことなんでしょうか。
メイ:今はソーシャルディスタンスを取りながら、入れる人数も少なくて、動けないし声も発せられない状況でライブしているんですけど、みんな静かに立って見ているだけでも楽しんでもらえるように、ちゃんと聴かせられるライブをしていきたいなっていう、挑戦みたいなツアーでもあります。
ーー手応えはいかがですか。
メイ:ライブ中に泣きながら聴いてくださる方もいるので、よっしゃ! って感じです。もちろんまだまだですけど、以前に比べたらいいライブできるようになってきたかなって。
たから:たからは今までと変わらないかなって思っちゃいました。配信ライブに慣れてた部分もあったので、別に群青さんが声や動きで応えてくれなくても大丈夫っていうか、4人で楽しくやれればいいかって(笑)。でも心の中ではちゃんと群青さんたちがみんなブチ上がってることを知ってるので。
个喆:个喆は特典会がなくて寂しい分、ライブ中にお客さんの目をめっちゃ見てお話している気持ちになってます。目が合わなかったら一生見続けます、合うまで(笑)。
ーーははははは。普段はファンの方が「目合わないかな」と思って見続ける方が多いと思うんで、すごい斬新な話ですね。
个喆:変なところが頑固なので、「気づいてー!」って思いながら見ちゃいます(笑)。
ーー小町さんはいかがですか。楽曲の振り付けは小町さんですが、振り付けに対してお客さんが反応できないなかで、考え方が変わった部分もあるんでしょうか。
小町:そこは特に変わらないですね。以前はしだれと半分ずつくらいで考えてたんですけど、ファンと一緒に楽しむ曲は全部しだれがやってくれて、自分は曲の世界観を作る振り付けだけにしか興味なかったので、自分の考え方は変わらないです。でも、今までよりもちゃんと見られているだろうから、振り付けとして伝えられる部分をより大事にしようって思えるツアーでもあるので、そこはちょっと嬉しいかもしれない。
ーーそこは思いがけない嬉しいところですよね。振り返ると、ダンスグループとハードコアの融合というこれまでの強みだけじゃなく、ストレートスタイルのロックナンバーが増えて、メッセージや歌そのものの強みが増した作品になったと思います。本作のリリースとツアーを経て、どんなゆくえしれずつれづれになっていきたいですか。
メイ:こういう状況のツアーなので、声を発してお客さんと何かすることの一体感というよりは、歌やダンスを通してちゃんと見せられるライブをして、気持ちで一つになれることを証明したいです。本当にストレートな曲が多くなってきたので、楽曲と歌詞のよさをそのまま届けられるようにしたいなと思いますし、嘘のない感情を届けていけるような、そういうゆくえしれずつれづれになりたいです。
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<締切:9月9日(水)>
■リリース情報
ゆくえしれずつれづれ
3rdフルアルバム『paradox soar』
2020年8月26日(水)発売 ¥2,750(税込)
<収録曲>
M1:Wish/
M2:ssixth
M3:REDERA
M4:illCocutus
M5:unison ash
M6:VERITAS
M7:Odd eye
M8:howling hollow
M9:Dear Sorrow
M10:memento
M11:Grotesque promise and I really hate me
M12:Still Roaring
M13:Arrhythmia
M14:Mezzo Forte
M15:Existence Metaphysical
M16:Hue