声優 浅沼晋太郎がいま求められる理由ーー変化自在な歌声、役作りへのこだわりなどから考察

多岐にわたる活動もすべては「人を楽しませるため」

 声優のほかにも脚本家、演出家、俳優、コピーライターといった肩書きを持つ浅沼晋太郎。2007年より参加しているエンターテインメント・ユニット「bpm」をはじめ、鈴村健一が総合プロデューサーをつとめる声優による即興劇『AD-LIVE』や、幕張イベントホール座長公演『水樹奈々大いに唄う』でも脚本・演出を担当するなど、活動は多岐にわたる。今年1月には、44歳にして初の写真集『POPCORN』を発表した。ここにも浅沼のアイデアや演出が施され、センスと遊び心満載の内容にファンからの反響も大きい。

 そんなマルチな才能を持つ浅沼だが、その原動力となるのは「人が楽しんでいる姿」だという。人が楽しむうえで、自分のこだわりは必要ないと考える彼は、脚本を書く際も、演出する際も、テーマやメッセージを込めることはない。どんなときでも人を楽しませるために、徹底的に自己を滅する。その結果として、変幻自在の声を持つ声優・浅沼晋太郎が生まれたのだろう。そしてたしかに、私たちは彼が演じる役を大いに楽しみ、作品の世界へとどっぷりハマっていくのだ。

 ちなみに、浅沼晋太郎の変幻自在ぶりを体感したければ、先述した『ヒプノシスマイク』の碧棺左馬刻と『刀剣乱舞-ONLINE-』の鳴狐を比べてみると良い。きっと度肝を抜かれることだろう。

■とみたまい
フリーライター。主に声優、アニメ、特撮などのジャンルにおいて、インタビュー取材を
中心に活動中。
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