蒼井翔太、ライブ音源配信を機に味わうカラフルな歌声 多彩な楽曲を歌いこなす表現力の進化も

 2作目は、2019年1月から2月にかけて開催されたライブツアー『蒼井翔太 LIVE 2019 WONDER lab. I』だ。オープニングナンバーのダークな雰囲気のロックチューン「Eclipse」を聴いただけで、彼の歌の表現力が進化し、声の色彩が増していることがわかるはずだ。聴き手を沈黙させるくらいの静かな色気が漂っている。とにかく鳥肌もののロングトーンだけでも聴いて欲しいと強く思う。続く、「イノセント」では一転して透明度の高い爽やかな歌声でのアプローチ。この転換の見事さと言ったらない。

蒼井翔太「イノセント」

 新しく刺激的なエッジーや夢のような幻想性も増しているのだが、特筆すべきは、中盤のダンスパートでもある「Checkmate」と「Bet On You」の2曲。6人のダンサーとフォーメーションダンスを激しく踊りながら歌っている姿を想像しながら、ぜひ聴いて欲しい。「Stay With Me!!」や「Why,pessimistic?」もEDMのような高揚感を与えてくれるダンスナンバーで、自由自在かつ心地よいフェイクやラップもフィーチャーされている。ボーカリストとして、パフォーマーとして、常に挑戦を忘れずに前に進んでいく蒼井翔太の姿勢に感銘を受けるはずだ。

蒼井翔太「Checkmate」

 アンコールでは爽やかな青春ソング「Tone」で抜けのいいファルセットを聴かせ、ファンとの絆の大切さを込めた「君のとなりで」で感謝の気持ちを切々と伝えると、会場が温かく幸せな空気で満ちていることが伝わってくる。全編を通して、より深みの増した歌声で、様々な蒼井翔太が展開されていくのだが、そのどれもが誰にも似ていない、蒼井翔太にしか出せない歌声だということに何度もハッとし、驚かされる。この時点で、アーティストデビューからまだ約6年ほどだ。常にチャレンジを忘れない蒼井翔太が、これからどれだけ音楽の幅を広げ、歌とダンスの表現力を磨き上げ、どんな成長の軌跡を描いていくのか。蒼井翔太のようなアーティストは他にいないからこそ、今はまだ想像もつかない。

■永堀アツオ
フリーライター。音楽雑誌「音楽と人」「MyGirl」、ファッション雑誌「SPRiNG」「Steady」「FINEBOYS」などでレギュラー執筆中。「リスアニ!」「mini」「DIGA」「music UP’s」「7ぴあ」「エンタメステーション 」「CINRA」「barks」「EMTG」「mu-mo」「SPICE」「DeVIEW」などでも執筆。

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