EXILE ATSUSHI×倖⽥來未による14年ぶりのコラボ ネガティブなこの時代にこそ「オーサカトーキョー」を聴くべき理由

 EXILE ATSUSHI×倖⽥來未、「WON'T BE LONG」以来14年ぶりのコラボがこのたび実現。数多のバラードヒットを持つふたりゆえ、何かと自粛ムードが求められる今、静かにじっくりと歌い上げるバラードを発表してもよかったと思うのだが、こんな時代だからこそ彼らはあの頃と同様、明るく楽しいパーティーチューンとしてのダンスミュージックを笑顔で歌い上げる。しかも関東と関西をそれぞれ代表するふたりのデュエットソングのタイトルが「オーサカトーキョー」。会いたい人となかなか会えない状況下で〈縮める距離 越えてくライン 恋が始まる Osaka Tokyo まぢヤバイ 超えてみたい あなたとdance dance let's party up〉。かの「WON'T BE LONG」にも通ずる、どんな距離感も抑えられない恋の衝動で埋めていかんとする単純明快な思考回路。会いたいもんは会いたいんだ! という想いだけで駆け抜けていくこのナンバーは、すぐ重苦しいムードになりがちな我々の日常に無条件で元気をくれる。難しいことを考えず、閉塞的な気分から開放的な気分へと一瞬でスイッチさせてくれる。

 EXILE ATSUSHIの想いを秘めながら放つようなクールなウィスパーボイスと、 倖⽥來未の想いを溢れさせながら放つようなホットなエモーショナルボイス。その対比はトーキョーとオーサカをそれぞれ擬人化したような面白さがあるし、共に万人に愛されてきたスーパースターながら、誰にも踏襲できない唯一無二の強烈な個性=キャラクターを確立してきたふたりだからこそ成立させられるエンターテインメントであり、前代未聞のデュエットソングと言える。

 歌は世につれ、世は歌につれ。音楽と世の中は表裏一体。時代がネガティブな方向へ向かえば、その流れを変えるためにポジティブな歌が誕生する。EXILE ATSUSHI×倖⽥來未「オーサカトーキョー」もその役割を担う為に生まれた。大変な時代だからこそ、この極端なまでに痛快なパーティーチューンで心躍らせてほしい。

■平賀哲雄(ひらがてつお)
1977年12月15日生まれ。神奈川県在住。1999年に音楽情報WEBメディア「hotexpress」を立ち上げ、2012年より「Billboard JAPAN.com」にてライター、インタビュアー、編集者として活動。現在はフリー。20年以上、最前線でアーティスト/ミュージシャンを追い続けている他、イベント司会やコメンテーター、番組MCなど執筆以外の活動の場も広げている。

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