EXILE ATSUSHI×倖⽥來未による14年ぶりのコラボ ネガティブなこの時代にこそ「オーサカトーキョー」を聴くべき理由

EXILE ATSUSHI × 倖⽥來未「オーサカトーキョー」

 1991年、日本のお茶の間にファンク&ソウルミュージックを浸透させた稀代の名曲「WON’T BE LONG」。バブルガム・ブラザーズが意図的にアメリカナイズドされた超ド派手なバブリー衣装で、東京・高円寺阿波おどりの会場を我が物顔で練り歩きながら〈OLY OLY OLY OH!YELY YELY YELY YEAH!〉と歌う様は、まだまだ歌謡曲主流で鎖国的だった当時の日本の音楽シーンに旋風を巻き起こし、若者だけでなく老若男女が歌えるダンスミュージックの時代を築いてみせた。

 それから15年後の2006年。楽しければそれでいいじゃない! 的なバブルムードは完全に影を潜め、かつてはミリオンセラーが数十作生まれていた音楽シーンもCDが売れない時代に突入しており、誰もが古き良きあの頃に想いを馳せずにはいられなくなっていた状況下で、90年代中盤以降の日本のダンスミュージックシーンを牽引してきた<エイベックス>が世紀のコラボレーションを実現。再び日本中の老若男女をお祭り騒ぎさせるべく、共に日本レコード大賞の受賞者であり、スターダムの頂点に登り詰めていたアーティスト同士のデュエット、EXILEと倖⽥來未による「WON’T BE LONG」をリリースする。

倖田來未 / WON’T BE LONG

 着うたブームの到来もあり、デュエットと言えばセツナ系ラブソング。涙を誘うバラードがほとんどだった時代に、EXILEと倖⽥來未は90年代のバブルガム・ブラザーズのそれ同様に、明るく楽しいパーティーチューンとしてのダンスミュージックを笑顔で歌い上げ、古き良きあの頃に少年少女だった者たちも巻き込んで〈OLY OLY OLY OH!YELY YELY YELY YEAH!〉旋風を巻き起こした。なお、同曲は音楽業界の不況が囁かれていた時代ながらミリオンヒットを記録。『第48回日本レコード大賞』特別賞も獲得し、90年代のスタンダードソングであった「WON’T BE LONG」を00年代の代表的デュエットナンバーへと更新してみせた。

 あれから14年後の2020年。新型コロナウイルスの世界的パンデミックにより、ここ日本も東京五輪の開催が延期になるほどの緊急事態で、人々に元気を与える役割のエンタメ業界も自粛要請によって活動制限。日々あたりまえのように日本中で開催されていたライブやコンサートはことごとく中止や延期を強いられ、明るい未来を見出しづらい危機的状況にある。しかし、前述した歴史が物語る通り、エンターテイナーやミュージシャンが本領発揮するのは、世界が困窮したとき。閉塞感からの脱却を願うときである。特にダンスミュージックは時代を明るく楽しい方向へと導くために存在しているわけで、その音楽の担い手であり、伝道師であり、スーパースターである者同士の再会は必然的とも言えた。

EXILE ATSUSHI × 倖田來未 / オーサカトーキョー(from EXILE ATSUSHI Album「40 ~forty」)

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