KALMAが見せた、たくましさとバンドの可能性 パワフルなステージ届けた配信ライブ

KALMA、パワフルなステージ届けた配信ライブ

 後半は、春から秋に延期された対バンツアーの会場の変更のお知らせからはじまった。名古屋はクアトロからダイアモンドホールに、札幌はペニーレーンからZeppへ! ソーシャルディスタンスの関係ではあるが、北海道のバンドにとってZepp Sapporoに立てることは感慨深いだろう。そこからは「イノセント・デイズ」「僕たちの唄」「TEEN」「blue!!」と、キラッキラの“今、ここ”を歌い上げる曲を、フルスロットルで畳みかけていく。改めて思うのだが、彼らの曲は♪ラララ~とシンガロングを誘うものが本当に多い。それでも、目の前でオーディエンスが歌っていないということに対して、彼らが寂しさや戸惑いを見せることはなかった。目に見えないところまで広がっていく曲、という自信があるからかもしれない。

 畑山の感情の“ゆらぎ”みたいなものに斉藤と金田がぴたりと寄り添っているように感じられた「これでいいんだ」を演奏し、3人でニコッと向き合っての♪ジャーンで本編は終了。チャットに「アンコール!」が届く中、3人は急ぐようにステージにカムバック。先日20歳の誕生日を迎えた金田へのサプライズが用意されていたのだ! ケーキが現れ、事務所関係者や家族、そしてメンバーふたりからのメッセージビデオも放映。愛されているなあ、とほっこりさせられた。でも、KALMAはほっこりでは終わらない。ラストは新曲! ため込んだ気持ちをすべて吐き出すような俊足のナンバーだ。〈明日も明後日も 自由に暮らしたい〉という歌詞が耳に飛び込んできた。なんとも素直、だけど誰もが抱えている思い。深い共感を刻み込んで、彼らはステージを降りた。

 その後は“新作速報”と題して、今年20歳を迎えるメンバーにちなんでジョッキグラスを販売することが告知される……だけじゃなかった! 11月(頃)にEPがリリースされるのだ。配信ライブで感じた彼らの可能性は、どんな曲になるのだろう? 楽しみで仕方がない。

 若い彼らが濁りない表情でバンドを楽しんでいる様子は、コロナ禍において光そのものだと、大げさではなく思う。これから、この光が日本中に降り注いでいきますように。

オフィシャルサイト

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