wacci「別の人の彼女になったよ」人気が「THE FIRST TAKE」で再燃 SNS時代の理想形ともいえるヒットの構図

wacci「ベツカノ」ヒットはSNS時代の理想形?

 2018年8月にリリースして以来、驚異のロングヒットとなっているwacciの「別の人の彼女になったよ」の新録版「別の人の彼女になったよ -From THE FIRST TAKE」の配信がスタートした。本作は高画質・高音質の一発撮りで収録したアーティストの演奏を楽しめるYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」のコンテンツを音源化したもの。ボーカルの橋口洋平がアコースティックギター1本で弾き語りしたパフォーマンスを、生演奏ならではの緊張感もそのままにパッケージした作品となっている。今年1月の動画公開時には「やっぱり本家の歌がすごい」「胸がキュッとなる……」などと歌唱そのものへの絶賛が相次いだだけに、新バージョンも楽曲のさらなる広がりに一役買いそうだ。

wacci・橋口洋平(from THE FIRST TAKE)

 現在までにYouTubeで公開中のMVの再生回数は4000万回以上。サブスクリプションサービスでの総再生数も9000万回を突破するという大ヒットを記録しているwacciの「別の人の彼女になったよ」(通称“ベツカノ”)。配信限定シングル、さらにはノンタイアップながらじわじわと支持を広げ、まもなくリリースから2年を迎えようとする現在も、楽曲の勢いは増し続けている。その理由のひとつは何と言ってもSNSでの反響の大きさだろう。MVに寄せられたコメント数は1万5千件に迫っており、リスナーが相次いで自分自身の過去の恋愛エピソードを投稿。中でも、とある女子高生によるコメントがTwitterで「泣ける!」と話題を呼び、2万8千件ものRTが付くほど爆発的に拡散された。また、カバー動画も続々とアップされ、その数なんと全440本以上。お笑い芸人NON STYLEの井上裕介やYouTuberの粉ミルクら幅広い方面でカバーされ、大きな話題に。さらには俳優の工藤阿須賀や指原莉乃らがTV番組で紹介するたびに各種チャート上位に食い込む動きを見せている。ゲスの極み乙女の川谷絵音は、同曲を「“昔の男が忘れられない女”というよくあるテーマなのに、言葉選びが秀逸で、かつ分かりやすくつづっているため、若者に響く」と分析。若い世代の共感を呼ぶ楽曲であること、かつ彼らと親和性の高いSNSがその思いを表現する場として機能したことなどが決め手となったと思われる。

wacci 『別の人の彼女になったよ』Full Ver.

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