THE RAMPAGE 後藤拓磨、最年少ながらグループのアイデンティティを守る存在ーー趣味だったカメラで“愛の伝道師”に

RAMPAGE後藤拓磨が守るアイデンティティ

 そんな後藤のグループでの役割は、THE RAMPAGEの“ファッション担当”。「THE RAMPAGEのヒップホップの色をファンのみなさんに伝えていくのが僕の役割」(引用:THE RAMPAGE、16人全員集合インタビュー バラードでの新たな挑戦とグループ内での個々の役割を語る)と語るように、デビュー当時はドレッドヘアでヒップホップを体現するようなワイルドなビジュアルだったが、イメチェンしてストレートヘアが定着した今も、彼にしか着こなせないであろう奇抜なファッションで我が道を貫いている。今年5月には、共にツアーのサポートウェアやスニーカーのデザインをした経験のある長谷川慎と、インスタライブ「STALI HOMIES Vol.2」を配信。「ヤチマコのファッション通信」と題してツアーグッズの着こなしやお気に入りのアイテムを紹介する中で、後藤が気に入ったものをとことん履き潰すタイプだということも明らかになった。それはまるで、小学生でアーティストになる夢を見出し、一途に夢を追い続けてきた彼の生き様を表すようで、その攻めたファッションからも「僕、理想なファッションが”財産を着る”っていうのが一番カッコいいと思っています。民族の衣装だったり、軍服だったり、その人の生活や誇りを身に纏うってすごく惹かれます」(引用:BILLY’S)という彼の信念が伝わる。

 しかし、一見いかついオーラを放っている後藤にも、ギャップは潜んでいる。それは、何事にも一生懸命で可愛らしいキャラクターだ。最年少ということもあり、たとえば山本彰吾が“最新のたっくん”の画像をスマホのロック画面に設定していたり(参照:TVfan)、藤原樹が「いつも気を張っていて、強がっているのが分かってしまうので、カワイイナーって思います(笑)」(引用:『OUT of MUSIC vol.63』)と語っていたり、年上メンバーからの溺愛エピソードは尽きない。ちなみに、“たっくん”以外にも、“やっちー”、、“やちたくオフシャル”、“スパイシーキャット”など、浦川命名の謎のあだ名が多数ついており、浦川と2人で配信したインスタライブ「STALI HOMIES Vol.1」によると、“やっちー”というあだ名は、後藤が当時聴いていたラッパーのLill Yachtyが由来とのこと。配信中には、浦川の「スパイシーキャット~!」に対して「にゃん!にゃん!」と猫ポーズで応える場面もあり、そういった健気な振る舞いやリアクションの面白さが、後藤が愛される理由なのだろうと改めて感じた。

 15歳でTHE RAMPAGEの一員になってから、約6年。近年はメンバーの多くが俳優やパーソナリティとしてお茶の間を賑わせているが、その一方で後藤はグループのアイデンティティを守る存在と言えるだろう。もちろん、THE RAMPAGEが大きく進化していくためにはマルチな活動が必要不可欠で、各自が自分の役割を全うしているのが彼らの魅力だ。だが、始動当初、ダンス経験がなかったボーカル吉野北人に夜な夜なダンスを教えたり、15人の期待を背負って多種多様な振付を制作したり、後藤がグループのスキルアップに大きく貢献していることも忘れてはならない。もともと趣味として始めたカメラも、今となっては仲間達の素顔を届けるツールとなっており、撮影技術と共にメンバーやファンへの愛も高まっている後藤拓磨。陣曰く“愛の伝道師”だという彼のカメラに映るTHE RAMPAGEは、どの一瞬も高純度の輝きを放っている。

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38

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