DISH//「猫 ~THE FIRST TAKE ver.~」バイラルチャート上昇中 表現者として成長し続ける北村匠海の歌声
もともと人気の高いコンテンツであるとはいえ、『THE FIRST TAKE』はステイホーム期間中にますます大きな反響を呼んでいるように思う。オンライン上でしか人の動きを確認できない異様な生活の中で、一発録りの映像というのは、まるでライブを見ているかのような手に汗握る緊張感を思い出させてくれる。こちらも思わず背筋を正して見入ってしまうパフォーマンスが魅力的だ。
歌う前、「楽しく歌えたらいいかな」と語りながらも、「震えてます(笑)」とコメントした北村匠海。しかし、ひとたび歌い始めると、DISH//にしか作り出せないライブ空間が一面に広がった。アコースティックだからこそ歌が際立ち、特にサビでのエモーショナルかつ透明感溢れる高音ボーカルがとても美しい。3年前と比べて、ボーカリストとしての鮮やかな成長を「猫 ~THE FIRST TAKE ver.~」1曲で十分に感じ取ることができる。俳優としての高い表現力と優れた歌声を合わせ持つからこそ、これほどまでに胸に響く歌を歌えるのだろう。それは上白石萌音などにも通ずる素晴らしさだが、北村匠海はまさしく“表現者”としてのボーカリストの最前線にいると言っていい。
優しく温度感のある楽曲でステイホームに寄り添い続けたDISH//。「何気ない毎日をDISH//色に染められた」人も多いだろう。6月5日放送の『ミュージックステーション』では北村匠海が同曲をテレビ地上波初披露する。どんな歌唱を見せてくれるのか、楽しみでならない。