Ms.OOJA、デビュー10年で磨かれたシンガーとしての魅力 ライブ映像から多彩なボーカルスキルを紐解く

Ms.OOJA、10年で磨かれた歌手としての魅力

 唯一無二のシルキーボイスを持つMs.OOJAが、2021年2月にメジャーデビュー10周年を迎える。10周年イヤーに突入し様々な活動を行っているが、そのうちの一つが「Ms.OOJA LIVE CHRONICLE 7days」だ。これまでのワンマンライブ作品をGW期間中に毎日YouTube上に公開。その7つのライブの中から“これだ!”と思う3曲を選び投票する「LIVE CHRONICLE 7days “あなたが選ぶベストライブ”」も開催中である。

 ちなみに上位10曲をカウントダウン形式で編集したフルサイズの映像が、5月23日20時からYouTubeプレミア公開にて発表されるという。「私にとって歌は呼吸のようなもので、なければ生きていけないもの」と語るMs.OOJA。その言葉の通り、彼女のライブには音源では味わえない臨場感が溢れている。多くの人を虜にしているMs.OOJAのライブの魅力とは何なのだろうか。

「1/fのゆらぎ」のシルキーボイスをたっぷり味わえる、アコースティックライブ

【期間限定公開】Ms.OOJA Acoustic LIVE TOUR “PROUD” (2018.06.08@広島クラブクアトロ

 ピアノとギターというシンプルな構成のアコースティックライブ。フルバンドと違い、シンプルだからこそMs.OOJAの歌手としての実力が色濃く出ている。まず感じるのは、聴き手の感情を揺さぶるテクニックだ。ごまかしが一切効かない構成だからこそ、Ms.OOJAのダイナミクスによる味付けが目立ち、表現力を倍増させている。さらに、Ms.OOJAの歌はまるで音源のようにブレがほとんどない。高音も『Ms.OOJA Acoustic LIVE TOUR “PROUD”』の「Never Enough」のように突き抜けるような地声で張ることもあれば、美しいファルセットを響かせることもあり、巧みな歌唱力が光っている。

 また、MCもMs.OOJAの世界に浸らせてくれる要素の一つだ。ライブにおいて、MCは世界観を作る重要な要素だと思う。彼女は、楽曲に対する思いや制作秘話を話すことが多いのだが、ファンにとってはより楽曲を深く知ることができる、ある種のプレゼントだ。こうして彼女からプレゼントを渡された観客たちは、さらに楽曲を愛することができ、そのあたたかな雰囲気が会場に充満していく。愛が溢れるあたたかなMs.OOJAのアコースティックライブには、MCも欠かせないのである。

グルーヴと一体感がたまらない、フルバンドライブ

【期間限定公開】Ms.OOJA LIVE TOUR 2018 “PROUD”(2018/04/01@東京国際フォーラム・ホールC)

 一方、Ms.OOJAらしいグルーヴを楽しめるのが、フルバンドを率いたライブだ。もともとダンスをやっていたため、彼女のリズム感は格別である。パワフルな歌声が存分に活きる「ORANGE」や「シナリオ」、マイケル・ジャクソンの「Rock With You」の風味を感じられる「サンシャイン」、カッティングギターとスラップベースが印象的な「My Darling」……。どんな曲調でも、圧倒的なグルーヴを表現しながら歌いこなす迫力は圧巻である。

 さらに、観客との一体感も良い。もちろん途中しっとりと歌い上げる曲もあるが、フルバンドの良さを活かしてノリの良い曲がセットリストに入ることが多い。そのため、観客も一緒に振り付けをしたり、タオルを回してみたり、歌ったりと、「全員でライブを楽しむ」という空気が満ち溢れているのだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる