Ms.OOJA、コブクロ 小渕健太郎と届けた極上の一夜 ワンマンホールツアー東京公演を振り返る

Ms.OOJA、コブクロ小渕と届けた極上の一夜

 Ms.OOJAが、最新アルバム『SHINE』を引っ提げた全国ワンマンホールツアー『Ms.OOJA LIVE TOUR 2019 「SHINE」』の東京公演を開催。聴く人を癒し、ヒーリング効果を与えると言われている“1/fゆらぎ”のシルキーボイスで、集まったファンに極上の一夜を届けた。

 会場となった昭和女子大学 人見記念講堂は、暗転と共に静かな波の音が響きわたり、モニターにキラキラした水面の映像が映し出される。その演出で一気に非日常に引き込まれると、何層にもフリルが重なった水色のドレスに身を包んだMs.OOJAが登場。突き抜けるような瑞々しい歌声の1曲目「海を見てる」から、ライブは爽やかに幕を開けた。その後も夏らしいナンバーが続き、「東京、一緒に歌ってね!」と声を上げ、観客にクラップを促して一体感を作り上げた「My Song」と、生バンドの音でしなやかに体を揺らす姿は本当に気持ちよさそうだ。

 大人っぽいミドルチューン「星と半分の月」、雨をイメージした演出のもとメロウに歌い上げた「In the rain」など、ここからはさらに一歩踏み込んだ深みのある世界観を表現。そして、2020年2月7日に公開予定のホラー映画『犬鳴村』の主題歌「HIKARI」をパフォーマンス。シリアスで重厚なサウンドに切なくハスキーな歌声が乗り、床を照らすステンドグラス風のライティングも圧巻。映画のイメージを再現したエモーショナルな1曲を客席は固唾を飲んで見守っていた。『犬鳴村』は、ジャパニーズホラーの第一人者である清水崇監督の作品。彼女は実はホラー映画が得意ではないらしく、清水監督の『呪怨』を見てトラウマになってしまった経験があるそう。「そんな自分がホラー映画の主題歌を歌わせていただくとは夢にも思いませんでした(笑)」と、素直なコメントでも会場を和ませる。

 ライブ後半は、それまでとは異なるシチュエーションで彼女の歌に浸れるアコースティックコーナーへ突入。男女2人のコーラスメンバーを前方に誘い、3人でイスに座って「くもり ときどき 晴れ」を歌い上げる。まろやかな音とゆったりと全身に染み渡るような歌声に客席は終始ほっこり。救いのあるメッセージに心が震えた「紫陽花」も、Ms.OOJAらしいストレートな言葉たちに優しく心が包み込まれる思いがした。

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