欅坂46 渡辺梨加、特別な瞬間に見せる凛とした姿が魅力に 『けやかけ』フィーチャー企画を機に考える人物像

 今回の「パン屋修業の道」のロケは、渡辺と仲の良い長沢菜々香も参加し、2人がパン作り職人の廣瀬満雄氏にパン作りの指導を受けた。パン作りをしているときの真剣な眼差しはパン好きそのもの。しかし職人による厳しい言葉を浴びせられると2人は萎縮してしまい、徐々に返事がなくなっていく。見かねた職人が激怒し、収録は一時中断。その後、2人が直接謝りにいったことでパン作りが再開する。

 パン作りに対する廣瀬の熱い思いを聞いたことで心を入れ替えた2人は、率先して洗い物をするなど積極的な姿勢を見せ始める。最終的に出来上がったパンは高評価を獲得。自分で作ったパンを食べる彼女たちは、パン作りに対する満足感以上に、どこか社会人として一皮剥けた表情を浮かべていた。2人の成長を見たスタジオのメンバーのなかには涙を流す者も現れ、結果的にグループ全体で今後の成長を誓ったような回となる。

 欅坂46のオーディションに受かる前、「就職活動で50社くらい落ちた」というエピソードがあるが(参照)、たとえ“社会”でやっていけなくともアイドルとして活躍している様子は、彼女を応援したくなる理由のひとつだった。今回のロケで直面した“社会”の厳しさ。それは、これまでの彼女にとって無縁の存在だったのかもしれない。しかし、こうした壁をひとつずつ乗り越えていくことで、ステージに立つ者としても、ひと回り大きな存在へと成長していくのだと思う。

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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