欅坂46、濃密な4年間で見えてきた“らしさ” 「サイマジョ」の衝撃デビューから現在までの軌跡

 4月6日にデビュー4周年を迎え、5年目の年が始まった欅坂46。今年はすでに平手友梨奈が脱退するなどメンバーが大きく入れ替わり、グループは転機に差し掛かっている。新二期生の加入も決まり、いよいよ“第二章”の幕開けといった様相だ。そこで今回は、デビューから現在に至るまでのグループの軌跡を振り返りたい。

怒涛の勢いで駆け上がった初年度

欅坂46『サイレントマジョリティー』

 欅坂46は、2016年の4月に1stシングル『サイレントマジョリティー』でデビューした。発売前に事前に公開されていたMVは瞬く間に再生され、発売日前日ですでに300万回を突破。当初フルバージョンの公開は期間限定の予定だった(当時の日本の音楽業界はまだショートバージョンで公開する傾向があった)が、あまりの反響からフルでの公開を継続。デビューから1カ月後には1000万回を超えた。(参照

 その後、2ndシングル『世界には愛しかない』、3rdシングル『二人セゾン』と順調にリリースを重ね、12月には初ワンマンライブを開催。年末には初めて『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)へ出場し「サイレントマジョリティー」を披露。初年度から世間に鮮烈な印象を残す。2017年に入るとキャプテン・副キャプテンも決まって体制も整い、前途洋々の初年度となった。

 当時の欅坂46の勢いを最もよく表しているのが、この年の『アイドル楽曲大賞』の結果だ。『アイドル楽曲大賞』はファン投票によってその年のアイドル楽曲を順位付けする企画である。この年、「サイレントマジョリティー」がメジャーアイドル部門で1位を獲得。さらに「二人セゾン」も3位、「世界には愛しかない」も6位を記録し、表題曲が軒並み上位にランクインした。アイドルファンによる有志の企画に、最大手である秋元系グループの作品が票を集めるのは異例とも言える事態。いかに初年度のインパクトが大きかったのかを物語っている。(参照

欅坂46 『サイレントマジョリティー』

勢いを加速させつつも漂う不穏な空気……

 デビューから1年後、4thシングル『不協和音』を発表し、発売日の翌日にデビュー1周年記念ライブを開催した。ちょうどその晩に放送された『SONGS』(NHK総合)で欅坂46が特集される。冒頭で「今夜 アイドルの歴史が変わる」と紹介されるなど、番組は大きな反響を呼んだ。

 しかし、この頃から異変が起き始める。

 テレビドラマ『残酷な観客達』の撮影期間だったこの時期、今泉佑唯の活動休止が突然発表される。同じ頃、平手は声の不調を訴え、レギュラーのラジオ番組では音声アプリを使って会話。ほどなくして発煙筒事件も勃発し、グループに暗雲が立ち込める。

 7月に1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』を発売。その年の夏は初の野外イベント『欅共和国』の開催や、全国ツアーを開催するなど、東京から地方へと飛び出し活動場所を広げていった。ライブの動員数も順調に増していく。ロックフェスにも出演し、音楽シーン全体に存在感を示した。

 だが一方で、音楽番組などでの平手のパフォーマンスの不調が囁かれ、雲行きは怪しいまま年末へと突入することになる。2度目となる『NHK紅白歌合戦』の披露曲は「不協和音」。すでにファンの間では“魔曲”と恐れられていたこの曲で、メンバー数名が過呼吸で倒れる。年が明けて平手の負傷を発表。1月に予定されていた武道館公演は中止となった(けやき坂46が代役を務めた)。

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