乃木坂46 高山一実&樋口日奈&中田花奈が語る、白石麻衣の卒業と変わりゆくグループの今

乃木坂46高山&樋口&中田インタビュー

 乃木坂46が、25thシングル『しあわせの保護色』を3月25日にリリースした。同作は、約9年間グループを牽引してきた1期生の白石麻衣と井上小百合、そして2期生 佐々木琴子の卒業シングルとなる。

乃木坂46 『しあわせの保護色』

 表題曲のフォーメーションでは、白石を取り囲むように1列目と2列目に1期生メンバーが集合し、その背中を見つめるように3列目を後輩メンバーが担う。1期生が最後の一瞬まで白石との時間を共有し、そして最後には全員で優しく送り出す。そんな温かい情景を感じられるフォーメーションとなった。

 世間的な認知度も高く、大きな話題を集めた白石麻衣の卒業。見送るメンバーは、それをどのように受け止め、かけがえのない残された時間を共にしているのだろうか。1期生の高山一実、樋口日奈、中田花奈に「しあわせの保護色」の制作エピソードを振り返りつつ、白石麻衣との思い出や変わりゆく乃木坂46の今を語ってもらった。(編集部)【最終ページに読者プレゼントあり】

まいやんがゆっくり残ってくれている感じが曲とリンク(高山)

ーー今回のシングルの選抜発表が『乃木坂工事中』(テレビ東京系)で放送されたとき、1期生の名前が次々と呼ばれていく流れはグッとくるものがありました。白石麻衣さんが参加する最後のシングルの表題曲を今在籍する1期生全員で作るとわかったとき、皆さんはどういう心境でしたか?

高山一実(以下、高山):私は選抜発表の途中でそれに気づいて、まいやんの卒業で寂しい気持ちもあるけど、同時に「とにかくこのフォーメーションは楽しそうだ!」とも思いました。特に私は隣が(和田)まあやと(秋元)真夏なので、めっちゃ笑顔になったのを覚えています。

樋口日奈(以下、樋口):私ももちろんうれしかったです。まいやん(白石)を1期生みんなで、近くで見送れるのはありがたいなって思いました。

中田花奈(以下、中田):最初はまいやんのことを送り出す最高の形になったらいいな、自分がその一員になれていたらいいなと思っていました。これまでもメンバーの卒業シングルで一緒に歌えずに終わってしまうことがあったので、今回は単純にうれしかったです。

ーー楽曲自体もあまり卒業を強く感じさせない、普遍的なナンバーになりましたよね。白石さんの卒業で広く注目されるタイミングにこういう曲を用意したところも、これまで楽曲を大切に活動してきた乃木坂46らしいなと思いました。

高山:確かにそうですね。まいやんの願望として「卒業を悲しい感じにはしたくない」というのは聞いていたので、バラードではないだろうなと予想していたんですけど、自分が思っていたよりもスローテンポだったことには驚いて。でも、それがしっくりくるんですよね。長く乃木坂46にいてくれたまいやんが、バタバタと卒業していくというよりは最後の最後までゆっくり残ってくれている感じが、すごく曲とリンクしているなと思いました。

ーー急かす感じがないから、聴いている人たちもいろんな余韻に浸れるのかなと。

高山:うんうん。そうですね。

中田:歌詞を読むと、乃木坂46でのいろんな思い出を改めて振り返って、本当に幸せだったなと感じられる曲だなと思うんです。卒業ソングっぽくないかもしれないけど、今までのことを振り返れる曲にはなったかなと思うし、実はこれこそがみんなの求めていた、ちょうどいい卒業ソングなんじゃないかなと。

樋口:これはまいやんが言っていたんですけど、「さよなら」じゃなくて「またね」っていう雰囲気の、穏やかで優しい曲調は聴いていて心が不思議とほっこりとしてくるねって。聴いていても歌っていても、今までにない不思議な感覚になる曲なんです。

1期生のわちゃわちゃした様子を後輩が優しく見守ってくれる(樋口)

ーー曲調やアレンジにしても、レトロ感がありつつ新しさもにじみ出ている不思議なバランス感ですしね。

樋口:そう、本当に不思議なんですよね。

ーー例えば昭和の時代にこういう曲が流行っていても不思議じゃないですし、これを2020年に乃木坂46が歌っているのがまた面白いんですよね。実は乃木坂46にはそういう楽曲が少なくないと思っていて。それこそデビュー曲の「ぐるぐるカーテン」もリリースから8年経ちましたけど、まったく古さを感じさせないですし。一貫していますよね。

高山:音楽好きの方にそう言っていただけるのは、本当にうれしいです。きっとスタッフさんの中でも音楽好きの方がいろんな案を出して、先々のことまで考えて作られているんだなと気づいてからこの曲を聴くと、ちゃんと丁寧に、力を入れて発信していかなくちゃと思って。いろんな思いを噛みしめて歌うようになりました。

ーーそれに、今年最初のシングルですものね。昨年における「Sing Out!」、その前の年の「シンクロニシティ」のように、毎年最初にリリースされるシングルがその年を象徴する楽曲になることが多いですし。そういう意味でも、「しあわせの保護色」は2020年の乃木坂46を示す大切な1曲になりそうですね。

樋口:本当にそのとおりだと思います。

ーー白石さんとのMVもこの曲が最後だったわけですが、撮影現場はどんな雰囲気でしたか?

樋口:楽しすぎて、スタートの声がかかる直前まで1期生同士で笑っているという(笑)。

高山:すっごい喋っちゃった気がする。

中田:それこそこの曲で音楽番組に出演するたびに、不安になるぐらい喋ってるよね(笑)。スタッフさんの話を聞いてないんじゃないかと思われちゃうぐらい、ギリギリまで喋ったり笑ってたりするし。

高山:そうそう(笑)。だいたい花奈が正してくれるんですよ。言われるまで私たち、全然気にしていなくて(笑)。

中田:「スタッフさんが○○って言ってたよー」って、私がスピーカー代わりになって(笑)。

高山:こないだ『ミュージックステーション』に出演したときも本番のカウントが始まっているのに、いくちゃん(生田絵梨花)が私に「かずみん、がんばろうね? がんばろうね?」ってすごい話しかけてきて(笑)。

中田:あったね(笑)。

高山:「うん、頑張るよ!」ってやりとりもあって。楽しみながら臨んでました(笑)。

樋口:そんな1期生のわちゃわちゃした様子を、後ろの2期、3期、4期メンバーが優しい目で見守ってくれているという(笑)。

中田:うちらのほうが子どもみたいにはしゃいでるし(笑)。

樋口:そういうこともあって、毎回楽しいですね。

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