Paledusk、Hakubi、TETORA、CRYAMY……現在進行形でライブハウスを沸かす2020年注目の新鋭バンド

TETORA

 大阪発の3ピースロックバンド、TETORA。メンバーの脱退を乗り越え、上野羽有音(Vo/Gt)、いのり(Ba/Cho)、ミユキ(Dr)の現体制で活動している。2018年タワーレコード限定で発売されたデモシングル『イーストヒルズ』収録の「ずるい人」が話題となり、MVは70万回再生を突破(2020年1月16日現在)。2019年に<Orange Owl Records>から1stフルアルバム『教室の一角より』を発売し、音楽番組に取り上げられるなど、バンドの認知度も高まっている。上野のハスキーで高音で息を切るような歌声が特徴的。温かみのあるメロディに等身大の恋愛模様をのせた曲たちは、同世代の女性を中心に心を掴んでいる。加えて、1回1回の現場への想いの丈をひしと感じるライブは荒削りながら素晴らしい。2月5日には新シングル『あれから』をリリース。バンドの勢いもある中であくまで彼女たちは着実な歩みを望み、他バンドのツアーに参加しながら自身のリリースツアーを巡るとのこと。ツアーファイナルは、バンド史上初のワンマンライブを大阪・梅田CLUB QUATTROで開催予定。さらなる飛躍が期待される。

TETORA-ずるい人(Official Music Video)
TETORA - 今日くらいは Offical Live Music Video-

CRYAMY

CRYAMY『#3』

 CRYAMYは、2017年に結成されたロックバンド。2018年からカワノ(Vo/Gt)、フジタレイ(Gt)、タカハシコウキ(Ba/Cho)、オオモリユウト(Dr)の4人で活動を本格化させた。自主制作にて1st ep『CRYAMY#2』をライブ会場にて販売し、300枚が即完。同epに収録された、「普通」や「テリトリアル」のMVも耳の早いリスナーの間で話題となり、2018年9月には『TOKYO CALLING 2018』に出演、徐々にインディーズシーンで頭角を現している。作詞作曲を担うカワノの退廃的な世界観とノイズが特徴的で、メロディに語感のいい言葉を使い、韻の踏み方が独特な歌詞の展開も癖になる。決して極端なことは歌わず、生活に潜む些細な諦めや怠惰、救われなさ、人間であるかぎり理不尽でも不幸でも生きていかなければならない、どうしよう無さを曲に落とし込む。ライブでも轟音に載せてノイズを掻き鳴らし爪痕を残している。そんな彼らは、昨年12月に2nd ep『#3』を発売したばかり。リリースツアー『月世界旅行記』の真っ最中だ。

普通 - CRYAMY
【MV】月面旅行/ CRYAMY

 以上4組を紹介した。メジャーになることが正義ではないが、ぜひ今のうちに出会って欲しいバンドである。2020年も、全国各地津々浦々のライブハウスで何百回とライブが行われるだろう。あなたの街のライブハウスで時代を創るバンドが今日も音を鳴らしているかもしれない。ライブハウスは出会いの場所だ。画面越しではなく、あなたの目で、耳で、新たなバンド・新たな音楽との出会いを楽しんで欲しい。

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