ACE COLLECTION、挑戦し続けたその先で常に獲得してきた喜びーーメジャーデビュー発表したO-EAST公演
ACE COLLECTIONは時には悩みながらもバンドのための意思決定を都度行ってきた。また、YouTubeでの動画投稿に本気で取り組んだ成果として「1000人規模の会場で初ライブを行いソールドアウトさせる」という目標を達成していたように、挑戦し続けたその先で喜びを獲得してきた。2019年には赤坂BLITZでの初ワンマンに加え、2本のツアーを開催、それ以外の時期には各地のフェスやイベントに積極的に出演。さらにアルバム2作+デジタルシングル3作をリリース――。結成してから勢いに乗るまでのスパンの短さが語られがちなバンドではあるが、こうして書き出してみると分かるように、そもそも活動量、バイタリティがものすごい。彼らの歩みは傍から見たらシンデレラストーリーのようだが、何も近道してきたわけではない。躍進を支えるのは膨大な量の試行と実践だ。
このバンドにとって葛藤とは、上を目指すがゆえに発生する成長痛のようなものだろう。それを乗り越えた彼らによる新曲を早く聴きたい。もう一段階逞しくなった彼らによる新しいライブを早く観たい。そう思わせられるライブだった。
■蜂須賀ちなみ
1992年生まれ。横浜市出身。学生時代に「音楽と人」へ寄稿したことをきっかけに、フリーランスのライターとして活動を開始。「リアルサウンド」「ROCKIN’ON JAPAN」「Skream!」「SPICE」などで執筆中。