「EUPHORIA ~Breakthrough, The Six Brave Stars~」パシフィコ横浜 Blu-ray インタビュー

超特急が語る、初の“全国開通”実現した『EUPHORIA』ツアーの成果 「一人一人の表現力に磨きがかかった」

 年をまたいで東西アリーナツアー『Revolución viva』を開催する超特急。12月25日に迎えた結成8周年の結成日には、今年の春夏に行われた全国ホールツアー『EUPHORIA 〜Breakthrough, The Six Brave Stars〜』から、スペシャルなセットリストが組まれた“8号車の日”ライブ(@パシフィコ横浜)公演のBlu-rayをリリースした。メンバーにとっても念願だった全国開通を実現した同ホールツアー中には、メンバーの6号車・ユースケの休業という大きな出来事を経験。それぞれがユースケへの思いを抱きつつも止まらずに走り続ける彼らに、この8号車の日のライブやホールツアーの思い出について、そして直近のライブとなる『Revolución viva』についても語ってもらった。(古知屋ジュン)

8号車の力も借りて、愛を確かめ合えた 

ーー『EUPHORIA~』はハンドレーザーを使った演出や、メンバー2人ずつがコラボしたペアコーナーなど、新機軸の演出が8号車のみなさんにすごく好評でした。Blu-rayに収録されている“8号車の日”ライブは、そのツアーの中でもスペシャルな内容だったと思います。それぞれ個人的にこのBlu-rayで注目してほしいポイントというと?

カイ:個人的には1曲目の「Burn!」。自分たちでやるのはもちろん、映像で見直しても楽しかったですね! Blu-rayだと8号車の皆さんの表情も見ることができるので「こんなに喜んでくれていたんだ~」とあとから確認できるのが嬉しかったです。ここは特にライブに来られた人も来られなかった人も、臨場感を楽しめるのではないかなと思います!

リョウガ:僕は「ご当地MC集」(Loppi・HMV限定盤に収録)ですね。4カ月という長い期間の中で回った様々な場所の思い出が詰まっているので、注目してほしいです。ご当地ならではの話もありますし、完全内輪ネタとか(笑)、それぞれのいろんな表情が見られるかと……!

タクヤ:僕もMC集と、あとツアードキュメント映像(Loppi・HMV限定盤に収録)ですね。実はMC集を収録するのは初なんですよ。やっぱり8号車に限らず、誰かを応援しているファンの方というのはメンバーの素の姿や裏側という部分がとても好きだと思うんです。僕もそうですし。今回の作品は、メイキングもより良いものにしようと思うきっかけになりました。

ユーキ:言っていただいたように、メンバー2人ずつのコラボパフォーマンスはかなり新しい一面が見られるシーンだったと思うので、それぞれのメンバーの気持ちの入ったパフォーマンスに注目していただきたいですね! あとレーザーコーナーも、Bambiさん(※ダンサー/振付師の仲 万美)に振付していただいて、かなり新しい超特急の姿が見ることができたと思うので、いろんな面で挑戦に溢れたライブになったのかなと思っています。あとは(Loppi・HMV限定盤に収録の)特典映像で、ユースケ休養前の6人のパフォーマンスも見ていただけたら嬉しいなと。

タカシ:あとこの日限定の企画というと、ダブルアンコールで着たユースケTですね(笑)。このライブ仕様にみんなで温めてきた衣装なので、Blu-rayでも注目してほしいです!

ーーツアー全体でいうと公演数の多さもありつつ、春と夏でセットリストを変えたり、みなさんのいろんな表情、表現を見せてもらえた印象があります。この“8号車の日”に限らず、全国ツアーの中でめちゃくちゃ楽しめた、逆に苦戦したパフォーマンスというのがあれば聞きたいです。

カイ

カイ:序盤の「EUPHORIAメドレー」は、定番曲や久しぶりに披露する曲をたくさんできて、疾走感もあって楽しかったです。苦戦したというか単純に難しかったのは「Hey Hey Hey」ですかね。ツアーのテーマ曲なので全公演披露したのですが、今までにないグルーヴ感を表現する曲なので、合わせて踊るのが難しかったです。

タカシ:「UNKNOWN...」は、披露が久々ということもあって、ワクワクしていましたね。逆に苦労したのは(メンバー2人でコラボしたペアコーナーの)「SURVIVOR」でのギタープレイ。その場所によって弾き方などを変えようと思っていたらそうもいかない時もあって、いろいろと勉強になった点も多かったと思います。

ーー2人ずつのペアコーナーでは、全員でのパフォーマンスとは違ったご苦労がいろいろとあったようで……。

リョウガ

リョウガ:僕はピアノ演奏がまさか2度目の披露の機会が来るとは思っていなかったので……。今回は「Beautiful Chaser」を弾いたのですが、曲順的に前の曲が2018年のさいたまスーパーアリーナで弾いた「霖雨」だったので、そっちに引っ張られて「Beautiful Chaser」のメロディがわからなくなる問題が発生しまくっていました。ただ、演奏に関しては今の自分ができることはしたつもりなので達成感は感じています。いつこういう機会が来たとしても苦戦しないように、ピアノに触れておくべきなのかもしれないなと思いました。

ーー苦労話とはテーマがそれますが、「Beautiful Chaser」のユーキさんの自ら死に向かうようなパフォーマンスが、鬼気迫りすぎて強烈でした。あのパフォーマンスはどういうイメージで作り上げていったんでしょうか? 複数の公演を見た8号車の間で「主人公の“死因”が毎回違うのではないか?」と噂になっていたりもしましたが……。

ユーキ:たしかに、もしかしたら死に方が変わっていたかもしれない! 僕の中で同じことをするのが苦手なこともあって、何か新しい刺激を求めていたり、心の底のどこかで意識はしているのかもしれないです。その上で、毎回の“終わり方”はその時に感じたフィーリングで迎えていました(笑)。

ーーそしてタクヤさん&タカシさんの「霖雨」はエモーショナルで、耽美なニュアンスもあって。

タクヤ

タクヤ:振付がジャズとコンテンポラリーのミックスということで、初めての挑戦でしたし、ただタカシの歌に合わせて踊るというよりもさらに気持ちを作る作業も自分にとって必要だったので、公演数が多い分、苦労しましたね。曲に合わせて踊ってはいるのですが、BGMであるかのようにしたくて、曲の世界観を表現するというよりも、僕のその時の感情をあらわにしていた感じです。そういう自分の中でのテーマはありつつも、あくまで僕の中でのメインはタカシでした。少し伝わりづらくて申し訳ないです……その公演ごとのリアルな感情だったので、あまり覚えていないというのも正直なところですけど。

タカシ:僕の中では、あの曲はより「生」っぽさをイメージしてパフォーマンスしていました。より露骨で、より人間味のある曲にしてみたいなと。そしてそれを観てくれている8号車にはそれぞれの解釈で、それぞれのイメージで観てもらいたいなと思っていましたね。

ーーあとペアコーナーの中でもカイさん&リョウガさんの「LIBIDO」が、8号車の歓声が一番大きかったのではないかと。あのパフォーマンスはどういうイメージで作り上げていったんですか?

カイ:あれは元々ユースケが担当していて「絶対にやりたい!」ということで振付も考えてくれたので、かなり面白いものになりました(笑)。そして僕と2人でやっていたものを、リョウガがユースケから引き継いでくれたのはありがたかったですね。その前にピアノも弾いているのにね?

ーーカイさんが曲の中でインパクトのある長セリフを言っている間、リョウガさんが各地でわりと自由すぎる(?)パフォーマンスを展開されていて。素朴な疑問ですが、あの時間帯は何を考えていましたか?

リョウガ:あの瞬間何をするかは事前に決めず、その時までに思い付いたことをしていたので、逆に意識的に何も考えていませんでしたね……覚えたてのダンスを終えた瞬間でもあるので、毎回開放感ゆえに好き勝手やらせてもらっていました。

ーーライブ全体で車両点検中のユースケさんを映像や小道具、演出などでフィーチャーしていたことにもすごく愛を感じました。どういう部分にこだわってアイデアを固めていったのでしょうか。

カイ:セットのくだりはMCの流れでリョウガが勝手に始めたものを、スタッフさんがどんどん膨らませてくれて(笑)。あのユースケTとか、メンバー発信のアイデアもありました。「ステージには5人で立っているけれど、気持ちは6人で」という部分が強かったかなと思います。

リョウガ:個人的にもそうですが、8号車のみんなに寂しい思いをさせたくないという気持ちが強かったと思います。変に気負わず、ユースケ推しやユースケを好きでいてくれている8号車の力も借りて、愛を確かめ合えたのではないかと。

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