マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」、チャート最高位記録 ネット上の“クリスマス施策”が功を奏す

 テイラー・スウィフトにジョナス・ブラザーズ、そしてニーヨ。クリスマスソングやアルバムをリリースする歌手は今年も少なくありません。

Taylor Swift – Christmas Tree Farm

 しかし毎年のようにクリスマスシーズンを席巻するのはなんといってもマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」ではないでしょうか。日本ではドラマ『29歳のクリスマス』(1994年、フジテレビ系)の主題歌に起用されてお馴染みの曲ですが、アメリカにおいては12月14日付米ビルボードソングスチャートで3位に到達し、昨シーズン(2019年1月5日付)の最高位に並びました。なぜ今になって最高位を記録し、そしてクリスマスソングがチャートを席巻しているのでしょう。

Mariah Carey – All I Want For Christmas Is You (Official Music Video)

 元々「All I Want For Christmas Is You」はアメリカでシングルCDとしてリリースされておらず、アルバム『Merry Christmas』(1994年)からのラジオ向けシングルという位置付けでした。ラジオエアプレイでは12位まで上昇するものの、当時の米ビルボードはあくまでシングルCDとしてリリースされた曲がカウント対象だったためにチャートに掲載されなかったのです。しかしレコード会社等がアルバムを売りたいがためにあえてシングルCDを切らなかった状況が深刻化しビルボードチャートが流行を追いかけられなくなったため、1999年度からはシングルCD未リリースの曲もチャートイン出来るようになります。米ビルボードはこの年から、シングルではなく“ソングス”チャートとなったのです。(参照:Billboard JAPAN

マライア・キャリー『Merry Christmas』

 2000年代に入るとデジタルが興隆し、2012年から加算対象となったストリーミングが現在の米ビルボードソングスチャートにおいて最大のウェイトを占め、クリスマスソング上昇の布石となりました。ストリーミングの興隆に比例して「All I Want For Christmas Is You」は2017年のクリスマスシーズンに9位をマークし初のトップ10入りを果たすと、翌年は3位に入り、今年はすでに最高位に並んでいます。過去2度の3位獲得時は共にストリーミング指標で首位に立った一方、例えば最新チャートにおけるダウンロードは10位、ラジオエアプレイは32位であり、ストリーミングが如何にヒットの重要な要素かが理解出来ます。この他にも最新チャートではブレンダ・リー「Rockin’ Around The Christmas Tree」が8位となり、発表からおよそ60年経過して最高位を更新しているのです。(参照:Billboard JAPAN

Brenda Lee – Rockin’ Around The Christmas Tree (Official Lyric Video)

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる