新しい地図 草なぎ剛と香取慎吾、アーティストとして新たな一歩を踏み出した2019年を振り返る
一方、草なぎはコツコツと続けてきたギターの腕前を披露する場として『草なぎ剛のはっぴょう会』を開催。奥田民生、和田唱(TRICERATOPS)、 田島貴男(ORIGINAL LOVE)、斉藤和義と、レジェンドクラスの豪華ゲストに加えて、デニムやジャンパー、ブーツなど、草なぎの好きなビンテージアイテムに囲まれたステージ。そして、そこに集まったNAKAMAたち。好きなものに囲まれて、好きな音楽を奏でる、そんな幸せな空間が広がった。
「すべて本物ばかり、にせものは僕の歌声とギターテクニックだけです」とコメントしたように、草なぎのギターはさらなる伸びしろを感じさせるもの。だが、その育っていく段階を楽しむことができることこそ、この『はっぴょう会』の魅力でもある。12月8日放送のラジオ『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)で、『はっぴょう会』を振り返った草なぎは、「出し切ったなって。歌詞もコードも間違ってた。緊張超えて楽しんでた。ネガティブに聞こえると嫌だけど、どうであれ自分の音楽。それが僕の音なんだって」とコメント。
ライブを鑑賞した香取も、「笑顔で聞きながら、涙がつたっているお客さんもいた」と絶賛。香取と共に会場に足を運んだ稲垣吾郎もオフィシャルブログで「はっぴょう会、大成功おめでとう。また一つ夢が叶いましたね。終了後、舞台裏であった瞬間『ごろさん、だ、大丈夫だったかなぁ!!』大丈夫どころか僕が今までに見たアーティストのライブで一番想いの伝わるステージでしたよ」と綴っていた。
そんなアーティストとして大きな飛躍を遂げた2人が『ShinTsuyo POWER SPLASH』では、リスナーの歌詞に草なぎのギター演奏、香取の歌で即興ソングを披露するというのも、改めて考えると贅沢な時間だ。ここでも、ふたりは調子が良ければ「もう1曲行こう」とライブ感を楽しみ、失敗すれば「やめときゃよかった!」と大笑い。
どんな場面も表現して遊ぶ香取と、発展途上の自分をさらけ出して楽しむ草なぎ。笑われても、間違っても、自由に、心の思うままに、歌うことの楽しさを改めて教えてもらった2019年だった。また2020年も、きっと彼らの挑戦と歌に、私たちは下向きな気分を上向きに、そして頑なになった心を解きほぐしてもらうのだろう。
(文=佐藤結衣)