稲垣吾郎と共に年齢を重ねていく喜びーーブレない“美学”がもたらす安心感と輝き

 新しい地図を開き、一度はゼロを覚悟したスタートもあった。だが、先日のラジオ『THE TRAD』で「夜空ノムコウ」が流れた際に、「いやー、これいい歌なんですね。スガ シカオさんが作ってくださった曲。これ僕らSMAPが1998年にリリースして。今でも覚えていますね、カセットテープでサンプルいただいて……まだ当時カセットだったんですね。それをかけた瞬間に、この曲は素晴らしいなって思いましたね。コレは売れるなって(笑)」といたずらっぽく語っていた。きっと彼の中には、目立ちたがり屋だった少年も、サブカルが好きな青年も、そして今私たちが知る紳士な大人の男性もずっと続いているに違いない。

 本、ラジオ、TV、Web、ドラマ、舞台、映画、SNSなど、時代の流れと共に多くの表現の場が生まれている。だが、どの場所においても“稲垣吾郎らしさ“が輝くのは、目まぐるしく変化していく中でひとつの安心感につながる。そして、そのブレなさが多くの人をより広い世界へといざなってくれるのだ。

 「ゴロウちゃんが出るのなら」と興味を持つ人が増えていくのも納得だ。音楽、文芸、俳句、花、ゴルフ、ワイン……大人になるほど「好き」にまっすぐでいられなくなるこの世界で、稲垣吾郎という人と共に年齢を重ねていく喜び。46歳の稲垣が次はどんな種を薪きながら、花を咲かせていくのか。その美しい花で満たされた道程を見届けるのが楽しみだ。

(文=佐藤結衣)

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