「クンチキタ」「やんちゃBOY やんちゃGIRL」…日本版“プデュ”オリジナル曲は練習生の個性をアピールできるラインナップに
「Black Out」
振られた恋人への未練を歌い、焦燥感のある「Black Out」。失恋をしてただ辛いだけではない感情の複雑さ、やるせない悔しさも激しい展開に反映されている。スピード感を増すサビでは、「本当に終わってしまうの?」と問いながらも、だんだんと“Black”に染められていく心を表現している。短調のメロディが全体的に印象深く、嘆き悲しむパフォーマンスは皮肉にも美しい。限りなくダークな世界観を作り上げただけでなく、弱る男性のセクシーさも存分に演出されている。
「やんちゃBOY やんちゃGIRL」
「やんちゃBOY やんちゃGIRL」は、少年らしい真っ直ぐさを彷彿とさせるキュートな楽曲。一途に好きという気持ちを伝える懸命さや、まるでお伽話の中にいるような雰囲気にとても癒される。イントロのシンセサイザーの音は昨今のK-POPのような近未来的なサウンドとは異なるレトロな世界観を演出し、素直な心を表現するかのようなポップな音も絶え間なく聴こえてくる。「やんちゃBOY」に終始元気にアピールされ、最終的にはこちらも「やんちゃGIRL」になってしまうこと間違いなしだ。
今回のコンセプトバトルは結果的に「クンチキタ」が一位を獲得したが、どの楽曲も完成度は素晴らしく、特に「Happy Merry Christmas」と「やんちゃBOY やんちゃGIRL」のようなジャパニーズアイドルの王道という印象が強い楽曲はこれまでの“プデュ”シリーズにはない、『PRODUCE 101 JAPAN』ならでは。また、今回のオリジナル曲を通して練習生の考えるカッコよさやキュートさが明確に表現され、将来のグローバルアイドルとしての姿を垣間見ることができた。これまで“プデュ”シリーズから誕生したグループがコンセプトバトルのオリジナル曲をカバーした機会は多くある。いつかこれらの楽曲が再度披露される日も来るかもしれない。
■momotoxic
ブロガー。自称"楽曲派"。Twitter:@momotoxic1006