[ALEXANDROS]、異彩を放つ最新曲「あまりにも素敵な夜だから」で伝える“音の楽しさ”

[ALEXANDROS]「あまりにも素敵な夜だから」

 本日11月8日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に[ALEXANDROS]が出演する。今回の放送では「動画再生回数1億回超えヒット曲特集」に際し、YouTubeで1億再生を突破した大ヒット曲「ワタリドリ」を、加えて10月30日にデジタル配信リリースされた最新曲「あまりにも素敵な夜だから」を披露する。

 ドラマ『ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル〜』(NHK総合)の主題歌にも起用された最新曲「あまりにも素敵な夜だから」は、[ALEXANDROS]の楽曲の中でも異彩を放つシティポップ的なアレンジが印象的な1曲だ。タイトでストイックなバンドサウンドを主軸としながらもイントロから煌めくようなシンセサイザーが存在感を示し、都会的な雰囲気を底上げする。

[ALEXANDROS] – あまりにも素敵な夜だから (MV)

 ファンクの色味の強い軽快なサウンドを、川上洋平(Vo/Gt)による抑えた雰囲気のボーカルがしなやかにまとめ、爽快感のあるサビへと流れていく展開には、静かなカタルシスがある。シンプルでありながらミクスチャー的なアプローチやジャンクなコーラスなど、遊び心も満載。キラーチューンというほどの破壊力のある曲調では決してないが、そのサウンドの構成はどこまでも巧みで、何も考えずに耳を傾けているだけでも歌詞の中で描かれる“踊り明かした夜明けの街”のようなイメージがしっかりと想起されるようだ。

 遊び心や音の楽しさを表現しようとすると、どうしても奇をてらった“足し算”のアプローチになるようなイメージを抱いてしまいがちだが、[ALEXANDROS]は“足し算”だけでなく“引き算”も巧みに取り入れながら、音の心地よさや面白さを存分に感じさせるトラックを完成させている。その貫禄すら感じられるアプローチの布石となったのは、間違いなく約1年前にリリースされたアルバム『Sleepless in Brooklyn』だろう。

 アメリカ・ブルックリンを拠点として制作された『Sleepless in Brooklyn』は、それまでの[ALEXANDROS]のイメージを刷新するような革新的さに満ちたアルバムだ。これまでも取り入れてきたハードロック的なアプローチが際立つ「Mosquito Bite」「spit!」「KABUTO」などでは特にローのサウンドが際立ち、洋楽ライクなダイナミズムと重さ、そしてビート感の面白みを最大限に感じられる。一方で、「アルペジオ」や詩人・最果タヒとのコラボレーションで話題になった「ハナウタ」などのメッセージ性の高い楽曲では、日本に脈々と受け継がれてきたJ-POP的なキャッチーさとペーソスを、サウンドや川上のボーカルスタイルからも存分に感じることができるだろう。

 [ALEXANDROS]の楽曲の大きな特徴のひとつに、海外での生活や制作活動を通したグローバルな音楽への深い造詣が反映されている点がある。国内のロックバンドではあまり取り入れられないグルーヴ感やビート感を感覚的/構築的に取り入れながらも、楽曲によってそれを異物(フック)として扱うこともあれば、ごく自然に“その曲に元々必要だったもの”として配置することもある。そのフラットな姿勢が洋楽的なアプローチと日本的なキャッチーさ、哀愁が巧みに共存した[ALEXANDROS]らしいサウンドの肝となっているわけだが、『Sleepless in Brooklyn』ではそれがより洗練され、貫禄の感じられるものとなっているのだ。

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