SASUKEが明かす、新しい地図への提供曲制作や作曲手法「誰も気づかない細かいことをやってる」
次世代クリエイターを育成する『ミュージック・プロデューサーズ・アカデミー』が10月に開講。ゲスト講師にSASUKEを迎えた10月度第3回の講義が、10月18日に神奈川・洗足学園音楽大学で行われた。この日は音楽プロデューサーの浅田祐介氏をモデレーターに、ゲスト講師としてSASUKEが登壇。同講義だからこその、非常に貴重で濃密な時間になった。
Ableton LIVEの実践的使用法をレクチャー
この『ミュージック・プロデューサーズ・アカデミー』は、タワーレコードが主催する“タワーアカデミー”と一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)が共同で開催。CharaやCHEMISTRYなどを手がける音楽プロデューサーの浅田祐介氏をモデレーターに、10月から12月にかけての3カ月連続で毎週開催。月ごとにテーマが変わり、そのテーマに沿ったゲスト講師を迎えて行われる。10月のテーマは“アーティスト”で、実績のあるアーティストの作曲方法や考え方などを公開し、コンペに通るデモ作りのノウハウを学ぶというものだ。
10月度第2回のゲスト講師DÉ DÉ MOUSEに続いて、第3回のこの日は、昨年中学生にして新しい地図 Join ミュージックへ楽曲「#SINGING」を提供して話題を集めた、現在16歳のクリエイター・SASUKEが登壇した。注目クリエイターだけに浅田も興味津々で、まずは気になっていたことを矢継ぎ早に質問していく。そんな中で明らかになったのは、「新しい地図への楽曲提供まで、SMAPは名前しか知らなかった」ということ。休みの日はひたすら打ち込みをしていて、テレビはほとんど見ないそうだ。「楽曲提供のお話をいただいて、“ヤバイ”と思って慌てて調べました(笑)」(SASUKE)。天才とは、どこか浮世離れしたところがあるものだ、ということを実感させるエピソードだ。また作曲は、ピアノでコード探しから始めるとのこと。「リズムからじゃないんだ!」と驚く浅田に、「リズムからだと、それしかなくなってしまうから」とSASUKE。常識にとらわれない作曲の考え方に、浅田や受講生が驚く場面がたびたびあった。
講義はSASUKEの私物パソコンを持ち込み、彼が作曲で実際に使用している音楽制作ソフトAbleton LIVEの画面をプロジェクターに映して、それを見ながら進行した。SASUKEが8月に配信リリースした最新曲「夏ぼっち」の画面が映し出されると、受講生はそれを食い入るように見つめた。プロのアーティストが、リリースした楽曲のデータを公開するのはレアなことで、この講座だからこその大きなポイントだと言える。浅田が「これは何を貼ってるの?」「リズムの分離が良いね」など細かく質問し、SASUKEは画面に表示しながら次々と答えていく。Ableton LIVEを使っている者にしか分からないようなマニアックな話だったが、だからこそすぐにでもマネが出来るような実践的なものだった。