カーリー・レイ・ジェプセン、圧倒的な“爽快感”が残った3年半ぶりの来日公演を見て

カーリー、3年半ぶりの来日公演を見て

 Welcome Back,Carly! 前回の来日公演から3年半ぶり、ニューアルバム『Dedicated』が世界中でロングヒット中のカーリー・レイ・ジェプセンが日本に帰って来た。観る者全てを元気にするパワー全開で駆け抜けたジャパンツアー。ツアー初日の10月7日、東京・NHKホールの模様を振り返ろう。

 開演時間の19時ジャスト、場内暗転と共に4人編成のバンドが登場して引き締まったダンスビートを叩きだし、間髪入れずにカーリーがステージに飛び込んでくる鮮やかなオープニング。カーリーはカラフルなイエロー、ピンク、ブルーのフリンジのついたワンピース、網タイツに黒のショートブーツ。前回の来日時は黒髪だったから、輝くようなプラチナブロンドのヘアーを日本のファンが見るのはこの日が初めてのはず。小柄な体をポンポン弾ませてステップを踏みながら、ステージいっぱいを使うパフォーマンスに場内の空気はいきなり沸騰。1曲目「No Drug Like Me」から前作アルバムのタイトルチューン「Emotion」へ、間奏ではしゃがみこんで最前列のファンとハイタッチ! カーリーのポジティブなキュートさが序盤から全開だ。

 「So Excited!そしてThank You For Coming!」 早口の英語の意味は完全にわからなくとも、彼女が日本に来ることをとても楽しみにしていた気持ちはよくわかる。ステージセットはお立ち台があるくらいでシンプルそのものだが、代わりに後方のLEDスクリーンが大活躍。美しい都会の夜景をバックに歌う「Run Away With Me」は、キーボーディストがサックスにチェンジしてご機嫌なブロウを聴かす。「Julien」ではスクリーンの中のミラーボールと本物のミラーボールがシンクロし、広いNHKホールをディスコに変えた。ギタリストがスティックを取り出してデジタルパーカッションを叩いてる。4人ともイケメンで、パフォーマンスもかっこいいバンドだ。

 ちょっぴりダークで切ない「Happy Not Knowing」のあと、6曲目に早くも「Call Me Maybe」が登場し、イントロが鳴っただけで大歓声が沸き上がる。なんたって2012年に世界中でNo.1を記録したメガヒット曲だ。キャッチーを絵に描いたようなティーンポップの傑作で、もちろん日本の観客ももれなく歌う。カーリーがマイクを客席に向けっぱなしでニコニコしてる。「Call Me Maybe」はディスコをモダンにチューンアップしたようなサウンドだが、続く最新ヒット「Now That I Found You」はばりばりのEDMチューン。この曲はミュージックビデオが楽しくて、カーリーが猫まみれになるシーンが最高だが、ライブでもくるくる回って踊って実に楽しそう。「Gimme Love」では自ら手拍子を求め、「Feels Right」ではミドルテンポのファンキーなビートに乗りパワフルなハイトーンを響かせる。バンドとの一体感も素晴らしい。

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