リゾ×AB6IX、リル・ナズ・X×BTS RM……さらに接近していくK-POPと英米アーティストの関係性
アメリカで4週連続1位となっているリゾの「Truth Hurts」。最近では、今年デビューしたばかりの韓国の男性グループ、AB6IX(エイビーシックス)が参加した同曲のリミックスバージョンも公開された。
また7月には、最終的に全米チャート新記録となる19週連続1位を達成したリル・ナズ・Xの「Old Town Road」のリミックス版にBTSのRMをフィーチャーした「Seoul Town Remix」が加わったことも記憶に新しい。全米1位になった楽曲のリミックス版にK-POPグループが参加するという例が2つも続いた。こうした事例は、現在のK-POPが持つ影響力の大きさを物語っているといえるだろう。今回は、ここ最近一段と増えている「K-POPと英米のアーティストのコラボレーション」に注目し、代表的なものを紹介しながら、コラボレーションが増えている背景も追ってみたい。
まずは、ここ1年でリリースされたコラボ作の代表的なものをいくつか紹介しよう。
デュア・リパ×BLACKPINK「Kiss and Make Up」
世界的な大ヒットとなったデュア・リパの同名デビューアルバムのコンプリートエディションに収録された一曲。デュア・リパがソウルに滞在した際、BLACKPINKのメンバーと会ったことがきっかけで、彼女からコラボを提案したようだ。BLACKPINKのパワフルなボーカルがデュア・リパとあまりにマッチしていて、5人の強いケミストリーを感じさせるし、この一回に限らないコラボも期待したくもなる。同曲によって、デュア・リパは本国イギリスでも36位にチャートインし、BLACKPINKはK-POPの女性グループでは初の全英トップ40入りという快挙も成し遂げた。
エリー・ゴールディング×ディプロ×Red Velvet「Close To Me」
エリー・ゴールディングが、スワエ・リーをゲストに迎え昨年秋に発表されたデュエット曲「Close To Me」を、”Red Velvet remix”として今年4月に発表。Red Velvetのイェリとウェンディが新たに書き加えた韓国語リリックは、スワエ・リーのパートを入れ替えただけでなく、コーラス、ブリッジ部にまで及び大々的なアップデートが施された。男女の対話として聴くことができた原曲が、Red Velvetのメンバーたちの声が重なりあうことで共感し合う女性たちの歌にも聞こえてくる。このコラボもソウルでの公演時にライブを見て印象に残ったというエリー・ゴールディングからの提案がきっかけだという。
リゾ×AB6IX 「Truth Hurts」
冒頭でも紹介した現在全米1位をひた走るこの曲。リミックス版では、韓国語と英語を混ぜたリリックをAB6IXが追加したという。コラボの経緯こそ明らかになっていないが、若く爽やかなAB6IXのボーカルが加わることによって、パワフルかつコミカルなイメージが強いリゾが一人で歌う原曲とは異なる印象を与えた。
そのほか、先述の「Old Town Road」以外にもホールジー、チャーリーXCXなどと多数のコラボ曲を発表しているBTSを筆頭に、フレンチ・モンタナとMONSTA X、ジェイソン・デルーロとNCT 127&EXOのレイ、エイバ・マックスとNCT 127、ジョナス・ブルーとIZ*ONEなど今年だけでもその例は挙げていけばキリがない。いずれのケースも、コラボレーションの相性の良さに驚かされたり、リリックやボーカルに新たな意味、テイストが加わったりと、一度の企画とはいえ侮れない質の高さのものばかりだ。