日向坂46、1st写真集『立ち漕ぎ』の見どころは? 欅坂46との比較で見える“グループの色”

 また、影山が参加したことによる作品への影響も大きい。学業のため休業中である影山に関しては、沖縄ではなく教室でひとり撮影が行われた。影山のカットでは、彼女が(沖縄ロケで撮影された)メンバーの集合写真を持っている場面から始まり、最後には21卓の机が並んだ教室で窓の外を眺めるカットが収められている。影山の存在によって、“日向坂による一夏の青春”で終わっていたかもしれないこの写真集に物語の要素が生まれたといえよう。また、ノスタルジックな雰囲気が漂う同作の中で、影山の存在だけは未来を向いているようにも感じる。彼女が日向坂の「to be continued」としての役割を担っているのだ。同作に掲載している「写真集撮影を終えて」の影山のコメントを読んでからもう一度写真集を見ると、また違った角度から楽しめるので、ぜひ注目していただきたい。

 帯文では秋元康が「日向坂46のストーリーは始まったばかりだ。10年後のために、今から読み始めて欲しい」とコメントを寄せているように、数年後にファンやメンバーが写真集を眺めながら「日向坂という国民的グループの最初はこんなメンバーだったな」と思いを馳せている様子が想像できる。寝かせれば寝かせるほど味が出る作品なのだ。写真集の公式Twitterではあともう少しワクワクすることを考えているようなのでそちらも引き続き注目していきたい。

(文=本 手)

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