CHEMISTRY、Mステで「Angel」歌唱 10年ぶりドラマ主題歌で示した現在地
また台本から読み取れるイメージを落とし込んだという歌詞だが、象徴的なのはサビの〈Angel 守るべきものがある それだけで人は強くなれる 本当さ Angel 愛すべき者がいる それだけが人をやさしくする 魔法のように 今なら まだ間に合う〉というフレーズだろう。突然の出来事により仕事も家族も失い、絶望の淵に立たされた主人公を、それでも奮い立たせ、再び前に進むよう背中を押すかのようなメッセージが綴られる。ドラマには「愛と憎悪と悲しみの先に。」というキャッチフレーズがつけられているが、生きることの難しさや立ちはだかる壁、それらを乗り越えた先にはあるものを目指し、歩き続ける者たちへの応援歌と取ることもできよう。
楽曲について主演の遠藤憲一は、「登場人物がやり場のない気持ちに押しつぶされそうになるシーンにいつも流れます。 CHEMISTRYさんの歌声と楽曲が、やりきれない人物たちを優しく包んで、そっと守ってくれているように思えます」とコメント(遠藤憲一公式Twitterより)。主題歌のかたちを借りた“守護天使”が、「それぞれの断崖」を、そっと導いているかのようだ。
8月23日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では、そんな「Angel」を携えたCHEMISTRYが登場。2017年の活動再開以来、地上波音楽番組に出演するたびに、“やっぱり2人のハーモニーは最高!” 、“いま聴いても色あせない” と、Twitterでトレンド入りを果たすほどの反響を巻き起こしている彼らが、果たしてどんなパフォーマンスを見せてくれるのかにも期待がかかる。また、番組内では2001年にリリースされ、大ヒットを記録した「Point of No Return」も披露するという。活動初期にリリースしたグループの代名詞的な楽曲と、9月25日に発売されるという8枚目のオリジナルアルバム『CHEMISTRY』のリード曲ともなっている最新曲。2曲を聴き比べながら、CHEMISTRYの現在地に思いを馳せてみたい。
■渡部あきこ
編集者/フリーライター。映画、アニメ、漫画、ゲーム、音楽などカルチャー全般から旅、日本酒、伝統文化まで幅広く執筆。福島県在住。