Baby Kiyが音楽で表現する、感情に正直に生きることの大切さ「イケてることをやり続けていたい」

Baby Kiyが語る、音楽で表現する“自由”

 Instagramで約30万人のフォロワーを持ち、音楽活動をはじめ、モデルやデザイナーなどでマルチに活躍するBaby Kiy。SNSから誕生した次世代のインフルエンサーと言える彼女が、シンガソングライターとしてデジタルEP『Don't Let Me Go』を8月7日にリリースした。

「Don’t Let Me Go」Music Video

 彼女が支持される理由のひとつとして、その“自然体”なライフスタイルが挙げられる。今回のインタビュー中もストレートな言葉で心のままに心境を語り、包み隠すことなく屈託のない笑顔を浮かべる。そんなラフでキュートな要素はもちろん、メランコリックな部分まで詰め込んだのが『Don't Let Me Go』だ。彼女が生まれてから身近に感じているという“海”と“音楽”の関係性、「年齢を重ねても誰かの憧れでありたい」という歌手としての理想像、そしてBaby Kiyにおける歌手活動の重要性など、彼女の現在地について語ってもらった。(編集部)

楽しくて、かっこいいと思えることだけをやってきた

Baby Kiy

――Baby Kiyさんには“ビーチトリップシンガー”というキャッチコピーが添えられていますが、それは海から受け取った様々なものを音楽にフィードバックしているということなんでしょうか?

Baby Kiy:はい、そうですね。楽曲制作の前にはビーチトリップをすることで気持ちを切り替えるのがいつものルーティンになっていて。旅に出ると日常生活とは違った刺激にインスパイアされることが多いので、そこで受け取ったものを歌詞にしたりするんです。ただ、そういう生活は音楽を始める前、小さいときからのライフスタイルでもあるんですよ。元々海が大好きで、大人になってから湘南に住んだり、時間を作ってハワイに行ったりっていう生活をずっと送ってきたから。なので、基本的には昔から大きくは変わらず、っていう感じでもあります(笑)。

――そういった生活の中で、今のBaby Kiyさんの音楽性も自然と固まった感じですか?

Baby Kiy:元々、音楽はジャンルに関係なく幅広く聴いてきた方ではあるんですよ。ジャック・ジョンソンとかコルビー・キャレイみたいなサーフミュージックも大好きだし、ヒップホップや昔のR&Bなんかもよく聴いてたし。そんな中で、アコースティックギターを弾きながら歌うことに憧れがあったから、自分でやる音楽としては自然な流れで今のスタイルになっていったところはあったんじゃないかな。それまではいろんなことをやってきたけど(笑)。

――学生時代はバンドを組んだりもしていたそうですね。

Baby Kiy:中学の頃はバンドでいちおうギターボーカルをやってました。学校の中でロックバンドをやってる人がイケてるみたいな流れがあったから始めたっていう(笑)。ギターも楽器屋さんで買った一番安いやつだったし、全然上手に弾けてなかったし、今思えばよく人前で弾いてたなって思いますよ。その頃は「私は音楽で生きていくぜ」なんて全然思ってなかったから、文化祭で一発ライブをして終わりましたけど。で、高校時代はR&Bのユニットを組んだりもしたけど、それも当時はイケてると思ってたからっていう理由で(笑)。

――常にイケてるかどうかが基準だったと。

Baby Kiy:そう。学生時代は常にイケてるかイケてないかで物事を判断してた(笑)。ただただ楽しくて、かっこいいと思えることだけをやってきた感じでしたね。

――音楽を本格的にやろうと思うようになったのはいつ頃だったんですか?

Baby Kiy:それが実はけっこう遅くって。高校を卒業してからも音楽は常にそばにはあったんだけど、そこだけにフォーカスすることなく、とにかくやりたいことを全部やってみようと思ってたんです。ジュエリーデザインをやったり、お洋服を作ったり、本を出してみたり……自分はすごくラッキーでたくさんのチャンスをいただけたのでいろんなことができていたとは思うんだけど。で、そういう生活を続けていく中でようやく「あ、やっぱり音楽やりたいわ」って思ったんですよね。そこで音楽の基礎を学ぶために専門学校に入ってみたら、作詞・作曲することがすごく楽しくなってきて。どんどんやり始めちゃった感じ。それが21歳くらいの頃だったかな。

――その当時の自作曲はどんな雰囲気だったんですか?

Baby Kiy:今の楽曲に通ずるところはありますね。そのときからハワイとか海にまつわる曲を書いてたし、根本は変わってないと思う。ただ、人生で初めて作った曲が1stミニアルバムのタイトル曲だった「Rainbow」なんだけど、今思うと全然キャッチーな曲じゃないんですよ。当時は売れる売れないとかまったく考えてなかったから。今も自分の書きたいように書くっていう部分はあんまり変わらないところではあるけど、でも活動を続けていく中で「みんなはどういう曲を聴きたいかな?」とか、そういうことを考えながら書くようにはなった気がしますね。そういう変化はありますね。

――現状、ご自身で認識している“Baby Kiyらしさ”ってどんな部分だと思います?

Baby Kiy:音楽シーンの中にはいろんなジャンルのアーティストの方がいて、その中には私と同じように海とか夏とかにフォーカスして活動している人もいっぱいいると思うんです。そんな中で私のことを応援してくれている人たちは、私という人間のバックグラウンドを見た上で音楽も聴いてくれていると思うんです。そこがBaby Kiyらしさなんじゃないかな。

憧れの歌手像はChara

――音楽のみならず、人となりやライフスタイルまでもが注目される存在だということですよね。それはご自身のライフスタイルを発信しているInstagramに30万人を超えるフォロワーがいることが証明しています。

Baby Kiy:全然ジャンルは違うけど、私はCharaさんみたいになりたいの。若いときももちろんすっごくかわいかったし、大人になって、お母さんになった今も女性としてキラキラしてるから、ライブを観ると「私も女に生まれて良かった!」って思うんですよ。彼女の性格だったり、ライフスタイルだったり、これまでの人生すべてがにじみ出てる楽曲からは、他にはないたったひとつの世界観を感じることもできるし。私もそういう存在になりたいんですよね。私の人生に憧れてもらえたり、ファッションや髪型をマネしてもらえたり、もちろん楽曲をきっかけに興味を持ってもらえるのもうれしいし……そういうアイコンになりたいというか。自分が30歳、40歳になったときにも「あの人ってかっこいいライフスタイルを送ってるよね」って言われる人になっていたいなっていう。

――そういう意味では、今もイケてると思われることが活動の大きなモチベーションになっているのかもしれない。もちろん学生時代とはその重みは全然違うんでしょうけど。

Baby Kiy:そうですね(笑)。うん、私は今もイケてるって思われたいから、イケてることをやり続けているのかも。まあでも、私は緊張しいで意外とシャイだから(笑)、ライブのMCなんかではイケてない感じが出ちゃったりもするんだけど(笑)。そういう部分でもナチュラルにイケてる自分を表現できるようになるのが今の課題かもしれないですね。

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