まふまふが音楽シーンの歴史を変えるか 時代の必然として生まれたネット発アーティストの活躍
また、盟友であるそらると結成し、まふまふがボーカルと作詞、作曲、編曲を担当するユニット・After the Rainでの快進撃も忘れてはならない。After the Rainは今夏8月24・25日、富士急ハイランド・コニファーフォレストにて2DAYS公演『After the Rain 2019 ~真夏のそらまふ大発生!!@富士急ハイランド~』を控えている。人気アニメ作品とのタイアップを実現するなど、軒並みチャートシーンを席巻。2ndアルバム『イザナワレトラベラー』は発売初週の売上枚数が88,280枚を突破するなど自己最高記録を更新中だ。
2018年末、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に出演した米津玄師が突破口となり道を開いたメインストリームでのネットシーン発アーティストの活躍や、成長著しいEveなどネット発音楽アーティストたちが邦楽ロックシーンを騒がせているが、時代の必然として生まれた表現者、まふまふによるシーンへのトドメ=会心の一撃となる一手から目が離せない。
そんなまふまふのライフワークとなっていた主催イベント『ひきこもりたちでもフェスがしたい!』シリーズはこれまで、さいたまスーパーアリーナ、そして『ひきこもりでもLIVEがしたい!』は幕張メッセ国際展示場9~11ホールで開催し、成功してきた。
今年、6月22、23日には、初のドーム公演としてメットライフドーム(西武ドーム)での2DAYSライブも開催した。初日は、まふまふによるソロ公演『ひきこもりでもLIVEがしたい!~すーぱーまふまふわーるど2019@メットライフドーム~』であり、2日目には“歌い手”である15人の仲間、そらる、天月-あまつき-、佐香智久(少年T)、うらたぬき、志麻、となりの坂田。、センラ、あらき、un:c、nqrse、luz、Eve、Sou、シークレットゲストのめいちゃんを迎えてのフェス形式『ひきこもりたちでもフェスがしたい!世界征服Ⅰ@メットライフドーム』としての宴となった。
ライブでは、ロックでシリアスな面だけではなく人気曲「すーぱーぬこになりたい」など、サービス精神旺盛にネットカルチャーらしい底抜けに楽しいユーモラスなポップチューンを堪能させてくれるのがまふまふの魅力だ。例えるならば、80年代を駆け抜けたロックバンドBOØWYでいうところのライブハウス時代を代表する「ON MY BEAT」のような、外せないルーツに根ざした曲なのだ。ネガティブ&ポジティブ、クール&キュート、陰&陽、両面あってのまふまふなのだと思う。
クリエイティビティが止まらないネット発音楽シーン。ときには“歌い手”という呼称を避けたがる人も多い。それはそうだと思う。彼らには自作曲も多いのだから。シンガーのみならず、さらなる才能、そして、詞曲を手がける表現者であることに誇りを持っているのだ。しかし、自らの出自と向き合い、まふまふは“歌い手”と呼ばれてきた才能=仲間を一堂に集め、メットライフドームで宣言した。「ここにいる14人は、この界隈をもっと大きく拡げること、もっと開拓すること、もっと先へ行くこと。それを常に志しながら、この界隈の為に活動している人たちです。つまり“僕が考えた最強の14人”です! ここらで一言、言わせていただきます。革命は成った! まだまだいけるよな!! 世界征服するぞ!!!」、と。
両日で約7万人を集めた驚異の無血革命となったのだ。
ネット発カルチャーがたどり着いた、ジャパニーズポップ史に残る大事件は、2019年の音楽シーンに地殻変動が起きつつある証となるだろう。誤解を恐れずにいえば、90年代以降のビジュアル系シーンをまとめ上げ、世界へ向けて牽引してきたX JAPANにおけるYOSHIKI的な求心力をまふまふに感じたのだ。
最近あったもう一つのターニングポイントは、6月22日ワンマン『ひきこもりでもLIVEがしたい!~すーぱーまふまふわーるど2019@メットライフドーム~』終了後、特別な日だからということで、Twitterで初の顔出し写真をアップしたことだ。これまで、ある種クローズドなネットコミュニティでの戦いだったかもしれない。そんな、まふまふがオープンな世界へ向けて新たな一歩を踏み出したこの行動こそが、一つの決意表明のようにも感じた。結果、コメントは1万超、RTは6万超、いいねは21万超えという圧倒的なバズを生み出したことでまふまふにとっての新たな一歩となったことだろう。
今日は特別な日。
本当にありがとう。 pic.twitter.com/MDaSzC9Ucz— まふまふ@10/16新アルバム『神楽色アーティファクト』 (@uni_mafumafu) June 22, 2019
6月23日、『ひきこもりたちでもフェスがしたい!世界征服Ⅰ@メットライフドーム』ラストに出演者全員で高らかに歌われた「ワールドドミネイション」における圧巻のパフォーマンス。ネット発音楽シーンは、ボカロ文化~歌い手、アニメやビジュアル系、邦楽ロックシーン、フェスシーンなどジャパニーズポップカルチャーを巻き込み、カウンターとしてメインストリームへ大いなるメスを入れようとしている。ここから、まふまふによる革命はさらなる大躍進が加速していくのだ。
(ライブ写真=Photos by加藤千絵[ CAPS ]/ 小松陽祐[ ODD JOB ] / 新澤和久 / 堀卓朗[ ELENORE ])
■ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
Yahoo!ニュース、J-WAVE、ミュージックマガジン、Spotify、LINE MUSIC、音楽主義などで書いたり喋ったり選曲したり考えたり。会員制サイト『BOØWY HUNT』で、関係者によるBOØWY伝説を裏付けるドキュメンタリー「BOØWY STORY ARCHIVE」を連載中。Spotifyで公式プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』を毎週火曜日更新で選曲中。
■リリース情報
『神楽色アーティファクト』
発売:2019年10月16日(水)
<初回生産限定盤A>(CD+DVD)AZZS-90
価格:¥2,500(税抜)
<初回生産限定盤B>(CD+DVD)AZZS-91
価格:¥2,500(税抜)
<通常盤>(CDのみ)AZCS-1082
価格:¥2,000(税抜)
<初回生産限定盤A DVD収録内容>
・まふまふライブ映像 数曲収録予定
・実写 Music Video
・アニメーション Music Video
・Music Videoメイキング映像
※詳細は後日発表予定
<初回生産限定盤B DVD収録内容>
・まふまふ企画映像 特別版
※詳細は後日発表予定
封入特典:
まふまふ『ファンミーティング&ハイタッチ会』抽選応募受付シリアルナンバー封入
受付期間:10月15日(火)18:00~10月20日(日)23:59
※全形態初回プレス分にのみ封入(対象商品:<初回生産限定盤A>/<初回生産限定盤B> /<通常盤>)
イベント詳細はこちら
発売元:A-Sketch
まふまふ プロフィール
ネットシーンに現れた稀代のマルチクリエイター。
動画投稿サイトやSNSにおいて、圧倒的人気を誇る。
YouTubeチャンネル登録者数180万人以上、Twitterのフォロワー数は160万人近くが登録。
投稿される動画は、オリジナル曲、歌ってみた、バラエティ等多岐にわたっており、YouTube・ニコニコ動画合わせて総再生数8.5億を超えている。
歌唱、作詞、作曲、編曲、エンジニアリングまで行い、また様々なアーティストへの楽曲提供も行なっている。
その類まれな才能と世界観は多岐にわたる評価を受け、中国の動画サイト・bilibiliでも登録者数が30万を超えるなど、日本のみならず海外でも支持を得ている。
なお、肩書きは「何でも屋」である。
まふまふ 関連リンク
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