茅原実里からAqoursまで…脈々と受け継がれる歴代歌姫の意志 『ランティス祭り2019』振り返る
音楽レーベル<ランティス>の設立20周年を記念したイベント『20th Anniversary Live ランティス祭り2019 A・R・I・G・A・T・O ANISONG』が、6月21日~23日に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールで開催された。1日目は、ランティスの歴史を彩ってきた歌姫が次々と登場し、懐かしのナンバーからコラボ、カバーメドレーなどを披露。実に“ランティスらしさ”に溢れたステージを展開した。そんな1日目についてレポートする。
レジェンド作品の感動がよみがえる
『ランティス祭り』の1日目、トップバッターを務めた茅原実里。現在のアニメ/アニソンシーンを支える20代~30代の多くは、中高生のころに『涼宮ハルヒの憂鬱』を観てアニメファンになり、『らき☆すた』や『境界線上のホライゾン』など茅原実里の出演作と共に育ってきたと言って過言ではない。ランティスのキングがJAM Projectなら、クイーンは茅原実里だ。この日はアニメ『喰霊-零-』OP主題歌「Paradise Lost」、アニメ『境界線上のホライゾン』OP主題歌「TERMINATED」などの3曲を披露。まるでランティス祭りの開会を高らかに宣言するかのように、鍛え抜かれた日本刀のような鋭く透明感のあるハイトーンボイスで、集まった観客のハートを貫いた。
yozuca*とCooRieの二人が、TVアニメ『D.C. ~ダ・カーポ』シリーズの3曲、「サクライロノキセツ」、「サクラサクミライコイユメ」、「優しさは雨のように」を歌ったのも、実にランティスらしいと思えた。メディアミックスの原点的な作品のひとつとして、PCゲームからの流れでアニメを観てファンになった者も多く、初期はPCゲームの制作とその音楽を多く手がけていたランティスだからこそのラインナップだ。ヒロイン=朝倉音姫の可憐さとクライマックスの涙を二人の歌と共に思い出したファンも多かっただろう。
様々な作品のアニソンがずらりと並んだメドレーコーナーも聴き応えがあった。『こどもの時間』の「ハナマル☆センセイション」を始め、『中二病でも恋がしたい』の「INSIDE IDENTITY」などを、出演者が次々にカバーして歌い、観客は一緒に歌って最高の盛り上がりになった。その中でも、アニメ『らき☆すた』のOP主題歌「もってけ!セーラーふく」は、二度とないだろう組み合わせで、観客を沸かせた。「もってけ!」を、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDが演奏するというアツさに、アニソンファンの盛り上がりはヒートアップ。それを6人組の声優ユニット=NOW ON AIRが、ポンポンを手にセーラー服姿で歌うという完コピぶり。ダンスもバックに映し出されたアニメ映像と見事にリンクし、声優ユニットならではの歌いこなしで、中盤の最高の盛り上がりになった。