平野綾、スフィア、μ’s、Aqours……数々のブームを巻き起こしたランティスの歴史

 アニソンの老舗レーベルの一つであるランティスが20周年を迎えることを記念して、6月21日から3日間にわたり、レーベルに所属するアーティストが一堂に会するイベント『ランティス祭り2019』を開催する。ベテランからニューカマー、まさかの復活まで、同イベントの出演者陣から、アニソン/キャラソンのシーンを牽引してきたランティスの歴史を紐解いていく。

ハルヒ、スフィアがブームを牽引

 現在はバンダイビジュアルと統合、バンダイナムコアーツと社名を変え、レーベル名として名前が引き継がれているランティス。1981年に解散したロックバンド・LAZYのキーボーディストであった、ポッキーこと井上俊次を社長に、アニメやゲームの音楽と映像制作の会社として1999年に設立された。LAZYと言えば、設立当初からランティスを支えている看板グループJAM Projectの影山ヒロノブが、ボーカルを務めていたことでも知られる。3日目の出演者には、JAM ProjectとLAZYの名前が共にラインナップ。立場を変えて共にアニソンシーンを支えてきた盟友の競演は実にアツい。

 設立当初のランティスがもっとも得意としていたのは、『君が望む永遠』、『D.C. 〜ダ・カーポ〜』、『ネオアンジェリーク』などの恋愛シミュレーションゲームの音楽と、それを原作としたアニメの音楽だ。橋本みゆき、緒方恵美、美郷あき、Minami(栗林みな実)といったレジェンド級のベテランが、当時から所属アーティストとして名を連ねており、楽曲とボーカルのクオリティの高さは当時のアニメ業界では群を抜いた。輝きを失わない名曲の数々には、当時の思い出がよみがえるだろう。

 2006年にアニメ界を震撼させたのが、『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズだ。アニメのエンディングで、SOS団が振り付けを踊りながら歌う「ハレ晴れユカイ」が爆発的な人気となった。涼宮ハルヒを演じた平野綾は、同年ランティスからソロデビューし、声優界のアイドルとしてブレイク。2007年の『らき☆すた』でも、伝説的なアニソン「もってけ!セーラーふく」の歌唱に参加した。同様、『ハルヒ』シリーズで長門有希を演じて人気を集めた茅原実里も、2007年からランティスでソロアーティストとして活躍。SOS団のステージには期待が高まっている。

 その後声優アイドルの流れは、2017年からの充電期間を経て10周年となる今年に活動を再開したユニット・スフィアに受け継がれた。スフィアは、豊崎愛生、寿美菜子、戸松遥、高垣彩陽で結成、2009年にデビュー。豊崎と寿は、『けいおん!』に出演して社会現象を巻き起こした。それぞれ数多くの作品で声優として経験を積んだ4人の再タッグが、どんな新しい化学反応を見せてくれるのか楽しみだ。

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