PRIZMAX、新体制初ワンマンで見せた変化と魅力 豊洲PIT公演を振り返る

PRIZMAX、新体制初ワンマンに感じた魅力

 俳優としても活躍する森崎ウィン(以下、森崎)を擁するダンス&ボーカルグループ・PRIZMAXが、7人組の新体制となって初のワンマン『PRIZMAX Live Level 8 ~CIRCUS~』を7月6日、豊洲PITで行った。新体制の彼らが果たしてどんなステージを披露するのか、気になっていたホリック(PRIZMAXファン)も多かったことだろう。4月にリリースしたアルバム『FRNKSTN』では大胆なサウンドやビジュアル面の変貌ぶりでリスナーを驚かせた彼らだが、過去のリリース楽曲はどう変わるのか、新メンバーがどのようにパフォーマンスに食い込んでくるのかなど、謎に包まれた部分が大きかった。改めて、このライブを振り返ってみたい。

 1曲目は『FRNKSTN』から「Light The Night」。オープニングではグループの顔である森崎がまずソロで登場し、熱量高めのエモーショナルな歌いまわしで歓声を浴びていたが、島田翼(以下、島田)、福本有希(以下、福本)、清水大樹(以下、清水)、そして新メンバーの小川史記(以下、小川)とパフォーマーが1人ずつ登場するくだりでは、それぞれが気迫を感じさせるソロを披露。MCでリーダーの清水も語っていたが、グループにとっても約半年ぶりのワンマンとなるこの日は、ホリック同様にさまざまな思いをめぐらせ待ちわびた瞬間だったに違いない。

 森崎をメンバーが担ぎ上げるような振付や大人数ならではのフォーメーションチェンジの妙でも魅せる「DADADADADADA」でひとしきり盛り上がったあと、メンバーのうながすハンドクラップで会場が一体となったタイミングで繰り出されたのが「Mysterious Eyes」。彼らのレパートリーの中でも知名度の高いこの曲のほか、元はアコースティックバラードだった「Truth」(シングル『OUR ZONE』収録)がポップなR&Bに、やはりアコギのカッティングがフックになっていた「Sing it!」(シングル『REBORN』収録)が4つ打ちのアッパーなアレンジに、そしてファンキーなブラス音がトレードマークだった「カフェオレ」がボッサ風アレンジに生まれ変わるなど、これまでのレパートリーの数々が新バージョンでお披露目された。

 変わったのはサウンド面だけではない。この日は新ボーカルのケビンや森英寿(以下、森)が森崎と掛け合いでボーカルを担当。「春空」(シングル『UP<UPBEAT』収録)など多くの楽曲でしっとりとツヤのある歌声を聴かせ、ピッチの正確さも光ったケビン、歌やラップのほか、コーラス面でもフレッシュな魅力を振りまいていた森。この2名の歌声という“武器”を手に入れたことによるボーカル構成の変化をも改めて感じさせることになった。個人的にはPRIZMAXの持ち曲の中でもメロディの美しさに定評のある「夢唄」(シングル『yours』収録)といったバラードで、三声の厚みなどボーカル面の変化が際立っていたように感じた。

小川史記

 またアルバムのインタビューでも話題に上がっていたが、パフォーマーが4人に増えたことで、ボーカル組とパフォーマー組に分かれて踊ったりとパフォーマンス面にも幅が出た印象だ。新加入メンバーの中で最年長の小川も動きの激しい「DADADADADADA」や「DANCE」(ともに『FRNKSTN』収録)などで他の3人ともシンクロ感あふれるダンスを見せており、パフォーマンスの安定感が光っていた。

 また、この日改めて感じたのが、既存メンバー4人の個性の強さだ。曲によって動きにナイフのような鋭さなど表現力の振り幅を感じさせる島田、アクロバティックな動きも組み込み新境地を見せていた福本(SNSでおなじみの名言もいろいろ飛び出してはいたが)。リーダーの清水は「Orange Moon」(シングル『Orange Moon』収録)でシャツを素肌に羽織ってセクシーなソロを見せ、大人っぽさを感じさせるパフォーマンスが目立っていた。そしてフロントマン森崎の歌声は3ボーカル構成に合わせてよりエモーショナルに変化を遂げていることが、「rewind」(島田プロデュース配信シングル)などでも改めて感じられた。

島田翼
福本有希
森崎ウィン
清水大樹
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