King Gnu、ヒゲダン、米津玄師……ポルノグラフィティが与える影響 井口理の『ANN』を聞いて

 ただひとつ、岡野のメールにあった「自分たちには、若いミュージシャンのフォロワーがいないのではないかと勝手に思い込んでました」という一文には全力で異を唱えたい。この圧倒的な謙虚さこそが岡野がファンに愛される理由のひとつだが、ポルノグラフィティに影響されたアーティストは井口理だけではない。

 これはほんの一例だが、Official髭男dismのボーカル・藤原聡は自身のラジオで「人生で初めて買ったバンドスコアが『ミュージック・アワー』でした」との発言をしているし、ギターの小笹大輔もInstagramのストーリーで「Zombies are standing out」のジャケット写真と共に「その道の人が震え上がるほど完璧にギターカッコイイ大好き」との投稿をしている。さらに、米津玄師も自身のTwitterで「ポルノは小学生の頃から好きで、個人的にはメリッサが思い入れも深く今なお大切な曲。彼らには自分が思っているよりも大きな影響を受けていると思う」というツイートをしている。

 King Gnu、Official髭男dism、米津玄師……どのミュージシャンにも共通しているのは、みな強烈な音楽的な個性を持ちながらメジャーシーンのド真ん中で戦っていく、強い意思を持っているという点。そう、20年前に同じくシーンのド真ん中で戦うことを決め、今なお第一線で活躍しているポルノグラフィティの音楽が若手ミュージシャン達の血潮となっているのだ。いつか、ポルノグラフィティを愛するミュージシャン達が集まり各々が思い入れのある曲を演奏する『ポルノグラフィティフェス』を観てみたい。

■かんそう
1989年生まれ。ブログ「kansou (king and soul)」で様々な「感想」を書いている。

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