欅坂46 原田葵は原点を唯一体現できる存在? 「二人セゾン」とアニラを軸に人物像を振り返る

 「二人セゾン」の物語は原田の休業後も続き、ライブ中にアクシデントで平手が離脱した際に、小池がアドリブで急遽ソロダンスを披露したことへと繋がっていく(参考:小池美波は欅坂46を支える存在に 「二人セゾン」ソロダンスの真相から感じたこと)。その経緯を知っていると、小池が先日のラジオ『ザ・ヒットスタジオ(火)』(MBS)で語った「原田葵もいつか戻ってくると思うので、そのメンバーのためにもちゃんと頑張っていきたいなと思います」という決意の重さが伝わってくる。

 そして忘れてはいけないのが「不協和音」の見せ場の一つである、“葵タワー”と呼ばれるやぐらを組むシーン。「不協和音」と言えばファンの間では「魔曲」と呼ばれ、体力と精神が消耗される楽曲で、欅坂の中ではしばらく封印されているが、原田の帰りがそれを解く鍵になるかもしれない。

 大学受験は欅坂に入る前から親と約束していたため、このままだとどちらも中途半端になってしまうからと、2ndアニラ後、欅坂の活動休止を決断した原田。当時のAKB新聞には「大学にちゃんと受かって、笑顔で帰って来たい。3年目のライブがあれば、またみんなとやりたいですね」と言葉を残していた。そして1年後、3rdアニラのステージに立つことはなかったが、会場には駆けつけていた原田。ライブのエンドロールにキャストとして名前も登場し、各メンバーのブログには笑顔で写る姿もあった。ある意味では約束を果たしたと言える。

 休業中に出版した欅坂の写真集『21人の未完成』では、大人に成長した原田の姿に、メンバーもファンも驚かされたが、3rdアニラ後の齋藤冬優花のブログには「ずっと歩き回るわマシンガントークだわで 相変わらずだったけど みんなもニコニコだった」「オダナナが、天ちゃんの方がかわいいよ~ってわざとあちゃの前で言ったら、あちゃがぷりぷりしながら もうオダナナと口聞かなーい!って言ってました。その3秒後くらいに話してたけど。笑笑」と綴られていて、変わらずみんなを笑顔にしている様子が伺えた。この1年で大きく変化した欅坂の中で、原田葵は結成当時に帰れるような原点を唯一体現できる存在なのかもしれない。

(文=本 手)

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