小池美波は欅坂46を支える存在に 「二人セゾン」ソロダンスの真相から感じたこと

 欅坂46の小池美波が、現在発売中の『MARQUEE Vol.129』で、『欅坂46 夏の全国アリーナツアー2018』(以下、『夏の全国ツアー』)について振り返り、話題となっている。これは、幕張メッセでの千秋楽で平手友梨奈のアクシデントにより、アドリブで「二人セゾン」のソロダンスを披露したことや、平手への想い、そして舞台裏の様子などが克明に語られたロングインタビュー。これからの欅坂の救世主となりえる存在に成長した小池の姿が垣間見えた。

欅坂46 アンビバレント
欅坂46『アンビバレント』初回仕様限定盤(TYPE C)

 今年、結成3周年を迎えた欅坂46の中でも、著しく成長したメンバーの一人と言える小池。人見知りでマイペースという性格からか、『欅って、書けない?』(テレビ東京/以下、『けやかけ』)の放送当初は、地味で目立たなかった印象だ。だが、元々内に秘めたポテンシャルは高く、2017年に『ザ・ヒットスタジオ』(MBSラジオ)の火曜日レギュラーになって以来、明るく巧みなトーク力と昭和歌謡に精通している知識量などで、あまり表に出す機会のなかった特性が、徐々に開花していった。いまや、YMO結成40周年公式サイト“YMO40.com”内の動画で、ひとりでYMO愛を語るまでに。お笑い好きキャラも浸透し、『けやかけ』やSHOWROOMなどを通して、妹感が強い明るく楽しいキャラクターがブレイク。食べ物をこぼす習性と土生瑞穂への愛以外は、デビュー当時からイメージがだいぶ変わったのではないだろうか。

 そんな小池がパフォーマンスで注目を集めたのが、平手不在の『欅坂46 2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE』(以下、『アニラ』)での「二人セゾン」。元々、小池と原田葵が平手を挟む形のフォーメーションであったため、自ずと小池と原田がダブルセンターに抜擢された。二人の美しいダンスパフォーマンスが、楽曲全体の世界観を見事に表現し、高い評価を得る。ライブの中でも一番の見せ場と言っていい「二人セゾン」のソロダンスを、『アニラ』では原田が披露していた。『夏の全国ツアー』では、突如不在となった平手のポジションを空けてパフォーマンスを行い、ライブを進行。しかし、「二人セゾン」になると突然、平手のソロダンスパートで小池が踊り出し、完璧なダンスを披露する。ダンスの直前に小池が佐藤詩織にマイクを渡し、佐藤が驚きの表情を見せていたことや、その瞬間小池の目つきが変わったという観客の声も目立ち、あれはアドリブなのでは? と大きな話題を呼んだ。

 そのことについて小池は、『MARQUEE Vol.129』で真相を明かしている。「センターを空けたままそのパートを迎えるのがイヤだなってずっと思ってたんですよ。もちろん、てち(平手友梨奈)が戻って来やすいように空けておくのもいいけど、逆に空けたまま進めてたらてちを追い込んじゃうかもしれないし」という葛藤の中、ソロダンス前になり、「手をバーンって開いた瞬間に、真ん中に誰も立っていないのを不自然に感じてしまったんです。その瞬間『これじゃダメだ!』と思って」と、気づいたら勝手に一歩前に出てソロダンスを踊っていたという。

 この大胆な行動は、髪を金髪にした意識改革の影響もあったと思うが、『アニラ』で踊った原田は現在休業中で、センターに並ぶ3人中2人が不在ということもあり、「二人セゾン」への責任感が必然的に発動したのではないだろうか。1、2度しか踊ったことがないというダンスを完璧に踊って見せた小池。その瞬間、会場にいた多くの人々に電流が走り、平手のアクシデントという不安が一変、メンバーも観客も一丸となってライブを成功させようという雰囲気になった。まさに小池が窮地を救ったと言えるライブであり、パフォーマーとしての覚醒を感じる出来事。ただ、織田奈那だけは小池のソロダンスに気づいておらず、後日の長沢菜々香とのSHOWROOMでのコメントで知ったという。それだけに本当にアドリブだったことがわかる。

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