嵐が示す、新たな時代における“アイドルの働き方” 櫻井翔と小泉進次郎の対談から考える

 対談での櫻井の発言から、嵐の活動休止会見に行きつくまでの1~2年間、私たちの想像を遥かに超える話し合いの中、紆余曲折の末、メンバーやスタッフそれぞれが納得する着地点を模索した櫻井の苦労が伺える。また、期間を設定し休みに入る“アイドルの働き方改革”を成立させるということはファンに対する活動再開を示唆するメッセージとも受け取れる。これには安堵したファンも多かったのでは。また、この“働き方改革”を成立させることで、後輩に対しても“休んでも戻ってこられる環境”であることも示そうとしているのではないだろうか。長いアイドル活動の中、一旦立ち止まって活動を振り返りたい、と思った時に一定期間活動を休止し、再び活動できる前例を嵐の5人が身をもって実現させてくれれば、今後の後輩グループに同じような状況になった時の前例にもなり、道しるべとなる。加えて、現在活動休止中のKing & Princeの岩橋玄樹、Sexy Zoneの松島聡についても同じく安心して治療に専念できる環境が整ったことをファンに周知できた意味合いも大きい。アイドルであり続けるための新たな“働き方”の可能性を見出した嵐は、やはり時代のパイオニアである。

 なお昨日5月3日には、新聞広告にて6月26日にベストアルバム『5×20 All the BEST!! 1999-2019』を発売することも発表。活動休止前ということで、新たな記録を残す可能性もありそうだ。

■北村由起
ライター・エディター。出版社勤務、情報誌編集長を経てフリーに。情報誌、webマガジン、ムック等を中心に執筆。ジャニーズウオッチャー。

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