倉木麻衣、BiS、奥華子、牧野由依、Wakana……長く愛され続ける女性アーティストの新作

牧野由依『UP!!!!』

 歌手、声優、ピアニストとして才能を発揮している牧野由依の音楽活動15周年を記念した「“これまで”と“これから”を繋ぐ」(牧野由依のコメントより)2枚組セレクトアルバム『UP!!!!』。Disc1にはファンの間で支持され続けている「Brand-new Sky」のロックバージョンをはじめ、代表曲、人気曲にリアレンジを施した新録音源7曲を含む11曲を収録。豊かさを増したボーカリゼーションによって、原曲の新たな魅力を引き出すことに成功している。Disc2は、彼女自身がピアニストとしてレコーディングに参加した楽曲が中心。岩井俊二監督作『Love Letter』(1995年)で、8歳の牧野由依が演奏した「A WINTER STORY」の貴重なテイク、弾き語りによる「アルメリア」といった楽曲には、ミュージシャンとしての彼女の表情が映し出されている。

牧野由依 / New Album 「UP!!!!」ダイジェスト試聴

Wakana『Wakana』(通常盤)

 Kalafinaで主に高音パートを担当。類まれな美しい声質、豊かな表現力でリスナーを魅了してきたWakanaのソロ1stアルバム『Wakana』が到着した。ソロデビューシングル『時を越える夜に』を含む本作は、エキゾチックな雰囲気が広がる「翼」(作詞:Wakana/曲・編曲:武部聡志)、AOR経由のラブソング「瑠璃色の空」(作詞:Satomi/曲・編曲:松本良喜)など、豪華な作家陣による楽曲を収録。ボーカリストとしての彼女の魅力をバランスよく引き出すことで、大人のリスナーの鑑賞に耐えうる、質の高いポップスアルバムへと結びつけている。個人的なベストトラックは、心地よいノスタルジーをたたえたオーガニックなバラードナンバー「記憶の人」(作詞・作曲:安藤裕子/編曲:山本隆二)だ。

Wakana「時を越える夜に」ミュージックビデオ(Short Version)

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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