黒崎真音に聞く、演技・シナリオ制作など多角的な表現が生んだ“新たなアニソンシンガー像”

黒崎真音、多角的表現で見つけたもの

「今の私は貪欲さだけでできている」

ーーシングルカップリング曲の「RUN FOR Re:BIRTH」も「幻想の輪舞」同様、ビックリさせられた1曲でした。

黒崎:ありがとうございます!

ーー黒崎さんはTVアニメ『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』(H.O.T.D.)の一連のテーマソングのボーカリストとしてデビューしていて、今回の楽曲は遊技機『パチスロ学園黙示録ハイスクール・オブ・ザ・デッド(山佐)』のゲーム中の楽曲。

黒崎:はい。

ーーそれに作曲家・編曲家もこれまでの『H.O.T.D.』楽曲と同じくMintJamさんだから、ちゃんと『H.O.T.D』に似合う1曲ではあるんだけど、すごくスタイリッシュですよね。

黒崎:ゴージャスなつくりになってますよね。

ーーメロディもアレンジも熱くてエモいんだけど、ギターのカッティングがすごく軽快だったり、オルガンの音色やコード感がクールだったり、すごく不思議な、でもカッコいいバランスの上に成り立っている曲です。

黒崎:しかも私は歌っていると、どこかから土のにおいがしてくるんですよ(笑)。おしゃれでゴージャスではあるんだけど、ちゃんと熱血ソングしているというか。ちゃんとアニメの主人公たちや、楽曲の主人公が走り抜けている感じがして。

ーーで、この曲にあてた黒崎さんの歌詞も前作「ROAR」と地続き。一切うしろを振り向かない、熱いリリックになってますよね。

黒崎:この歌詞は「ROAR」よりもはるかに前……2年は経たないと思うんですけど、1年以上前に作っていて。『H.O.T.D.』があり得ない世界で生き抜くキャラクターたちの物語なので、うしろを振り向くわけにはいかなかったんです。

ーー立ち止まってうしろを振り向いたが最後。ゾンビに食われる世界ですからね(笑)。

黒崎:それを承知の上で爽快に生きるキャラクターたちを思って歌詞を書いていたんですけど、その直後に『H.O.T.D.』の原作者の佐藤(大輔)さんがお亡くなりになってしまって……。当時のご病状を詳しくは知らないから、断言はできないんですけど、おそらく最後にチェックなさった『H.O.T.D.』関連コンテンツってこの歌詞だったはずなんです。全然ご病気のことを知らずに書いたものではあるんだけど、病床の佐藤さんが〈途絶えない歌を 歌うんだ〉というフレーズをどう読んだのかな?と想像すると、胸が締め付けられるというか、すごく高らかに歌い上げたくなってしまって……。だからこの曲には「これから『H.O.T.D.』シリーズがどういう形で進行していくのかわからないけど、終わってほしくはない。なんらかの形で続いていって、またファンの皆さんと〈途絶えない歌を 歌〉えたらいいな」という思いをとにかく詰め込みました。

ーーそういえば、先週リリースした『ROAR』は、先行配信時にiTunes Storeのアニメカテゴリで1位になってましたよね。

黒崎:でもその直後にチャートの下のほうからTM NETWORKさんの「Get Wild」がものすごい勢いで追い上げてきていたので、あの頃は怖くて怖くて(笑)。

ーー『劇場版シティーハンター』、ヒットしてますもんねえ(笑)。でもそんなアニソンのアンセム中のアンセムを黒崎さんが迎え撃つという、その構図を描けた時点で、もうすでに“勝ち”というか……。

黒崎:確かに光栄なことではありました(笑)。

ーーそして『グリザイア』、『H.O.T.D.』という黒崎さんにとってはおなじみのアニメシリーズとのタッグながらも、サウンド、映像の面で新機軸を打ち出した2曲が収められた『幻想の輪舞』が今週発表されます。なんというか2019年、すごくいい年になりそうな予感ってありません?

黒崎:どうなるんですかねえ(笑)。私自身、自分のスケジュールをまったく把握していなくて。「次は黒崎真音はこんなことをやるらしいよ」みたいな話は噂レベルでうっすら入ってきてはいるんですけど……。

ーーそれじゃあ熱心な黒崎真音ファンと情報量が変わってないですよ(笑)。

黒崎:でも本当にそうなんですよ。去年出演させていただいた映画『BLOOD-CLUB DOLLS』も『1』だったので、たぶん『2』が作られると思うんですけど、若干不安なところもあったりして……(笑)。

ーーいや、まず間違いなく作られると思いますよ。

黒崎:なのでGOが出たら、またお芝居の勉強を始めたいですし、そうやってそのときどき、いただいたお話に向けて勉強を重ねつつ、私は私で興味の幅を拡げていくっていう感じで1年を過ごしたいですね。

ーー物語を書くトレーニングがMVのプロットに結実したように、今後も伏線をばらまいていく、と。

黒崎:去年くらいからの私は貪欲さだけでできているので(笑)。しかもおっしゃるとおり、シナリオの練習という種がMV制作という実を結んだからには、今後もたとえば、絵を描くことも好きなので個展を開いてみたいななんて思っていますし。これまでTシャツのデザインもやらせていただいているので、そこでの表現をさらに拡げられたら面白そうですし、チャンスがあるならなんでもやってみたいですね。で、こういう気持ちでいるから「RUN FOR Re:BIRTH」や「ROAR」みたいなポジティブな歌詞が出てくるのかもしれない(笑)。

(取材・文=成松哲)

■リリース情報
『幻想の輪舞』
発売:3月14日(水)
価格:初回限定盤(CD+DVD)¥1,800+税
通常盤(CD)¥1,200+税

<CD収録内容>
1.幻想の輪舞
『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION』オープニングテーマ
作詞:桑島由一 作・編曲:藤間仁(Elements Garden)
2. RUN FOR Re:BIRTH
『パチスロ学園黙示録ハイスクール・オブ・ザ・デッド(山佐)』搭載曲
作詞:黒崎真音 作曲:a2c(MintJam) 編曲:MintJam
3.幻想の輪舞〈instrumental〉
4. RUN FOR Re:BIRTH〈instrumental>

〈DVD収録内容〉
「幻想の輪舞」 MV、MV Making.TV SPOT

■アニメ情報
『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION』
公式サイト
グリザイアシリーズ公式Twitter

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