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『幻想の輪舞』インタビュー

黒崎真音に聞く、演技・シナリオ制作など多角的な表現が生んだ“新たなアニソンシンガー像”

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 黒崎真音がニューシングル『幻想の輪舞』をリリースした。

 同作の表題曲は3月15日に全国の劇場で公開がスタートする映画『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION』のオープニングテーマ。これまで黒崎はTVアニメ版『グリザイア』シリーズのオープニングテーマソングを歌っており、このたびファン待望の劇場版でも歌姫として再登板することとなった。

 そして黒崎は先週、3月6日にもシングル『ROAR』を発表しており、今作『幻想の輪舞』は2週連続リリースシングルの第2弾作品となる(参考:黒崎真音に訪れた大きな変化 “オープンハート”が生んだ『とある魔術の禁書目録 III』新OP誕生秘話)。一昨年にはミュージカルに、そして昨年は映画に挑戦するなど、多彩な活躍を見せる一方で、ハイペースな音楽活動も展開する彼女。ワーカホリック気味なまでに表現し続ける、その胸に去来するものとは? 本人に聞いた。(成松哲)

桑島由一の描く未成熟な少女たちの繊細な世界

ーー先週シングル『ROAR』を発表して、今週さらにニューシングル『幻想の輪舞』をリリース。このハイペースぶりはなかなかチャレンジングな試みなんじゃないかしら? という気もしますけど……。

黒崎真音(以下、黒崎):でも、たまたまなんですよ(笑)。

ーー「ROAR」がオープニングテーマになっていたTVアニメ『とある魔術の禁書目録 III』の放映時期と、「幻想の輪舞」がオープニングに採用されている映画『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION』の公開時期が“たまたま”かぶった?

黒崎:そうなんです(笑)。でも『ROAR』収録の2曲と『幻想の輪舞』収録の2曲、全然違う色合いの4曲が揃ったのが面白いな、と個人的には思ってます。

ーー確かに4曲を並べて聴くと、すごくカラフルですよね。

黒崎:ミニアルバムみたいに楽しんでもらいたいですね。

ーーで、今回のシングル表題曲「幻想の輪舞」なんですけど、「ROAR」からは一転。正調アニメソングといった趣の1曲です。

黒崎:まさにElements Gardenさん、藤間仁さんって感じですよね(笑)。

ーーはい。マイナー進行でアップテンポで、ストリングスがグイグイ引っ張ってくれる、このナンバーを高らかに歌い上げる黒崎真音像っていうのも……。

黒崎:実はお久しぶりで(笑)。それだけにレコーディングはすごく楽しかったです。

ーー一方、桑島由一さんの歌詞については? 作詞家としての桑島さんとはTVアニメ版『グリザイアの果実』のオープニングテーマ「楽園の翼」(2014年リリース)や、『グリザイアの楽園』のオープニング曲「刹那の果実」(2015年リリース)以来のお付き合いだと思うんですけど。

黒崎:これは前から思っていたことなんですけど、すごく素敵なんですよね。聴けば聴くほど、かみ砕けばかみ砕くだけ味がするような表現をなさるし、フレーズの一つひとつはすごく繊細だし、詩的だし。なんというかその詩的な繊細さが、ちょっと未成熟な女の子の気持ちや、彼女たちの愛や命の物語を本当に美しく描いている歌詞なので、レコーディングのときはインプットとアウトプットを同時にしている感じになるんですよ。

ーー“ボーカリスト・黒崎真音”として桑島由一リリックを歌っているうちに、“作詞家・黒崎真音”的感性が刺激される、と。

黒崎:すごく刺激されますね。「どうしてこんな素敵な表現ができるんだろう?」と思って、今回レコーディングに立ち会ってくださった、桑島さんに直接言いましたから。「こんな素敵な歌詞を書けるようになりたいです!」って(笑)。

ーーただお話を聞いているこちらとしては、今の黒崎さんの作詞家・桑島由一評で、桑島さんという人の横顔の輪郭が少しはっきりした気がします。

黒崎:そうですか?

ーー桑島さんってバイオグラフィを追いかけるとこっちが迷子になっちゃいそうな人なんですよ(笑)。作詞家であり、ゲームのシナリオライターであり、小説家であり、E TICKET PRODUCTION名義でアイドルラップのリリックを書いたり、トラックメイキングをしていたりする。だからどんな人だろうと思ってたんです。

黒崎:確かに不思議な経歴の方ですよね。

ーーでも小説やゲームシナリオもしかり、アイドルラップもまさにそうなんだけど、確かに未成熟な女の子たちに寄り添った言葉を紡ぎ続けてきた人なんですよね。

黒崎:私もそう言われて全部の線が繋がった感じではあるんですけど(笑)、「楽園の翼」と「刹那の果実」の歌詞もそうだし、桑島さんが原作ゲームのシナリオを書いた『グリザイア』シリーズの物語もそうですもんね。心に何かトラウマみたいなものを抱えている女の子たちがいて、それを主人公の(風見)雄二が解きほどいていくっていう。で、今回の『グリザイア:ファントムトリガー』はそのTVシリーズ後の話。トラウマや葛藤を乗り越えたというか、後悔や心残りを抱えていながらも「私はこの道で戦っていく」と決めた女の子たちのお話なので。だからそのオープニングテーマである「幻想の輪舞」の歌詞は「楽園の翼」や「刹那の果実」のときよりも重たく感じられたんですよね。「この子は何かを一度失ったことがあるんだな……」って感じられて、歌っていると涙が出てきそうになって。だからこそ「それでももう一度チャレンジできるんだよ」「今度は選択を間違えないでね」「守ってあげたい」って、ある意味願いを込めるように歌いました。

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