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なぜジャニーズがバーチャルアイドルに? 芳賀ゆい、初音ミクなどの歴史から相性の良さを考える

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 先月2月19日、ジャニーズ事務所が動画生配信サービスで知られるSHOWROOMと組んで「バーチャルジャニーズプロジェクト」をスタートさせることを発表した。その第1弾としてバーチャルアイドルの海堂飛鳥と苺屋星空が活動を開始。CV(キャラクターボイス)を関西ジャニーズJr.のユニット・なにわ男子の藤原丈一郎と大橋和也がそれぞれ務める。早速生配信も始まった。

 なぜ、いまジャニーズがバーチャルアイドルなのか? そう思うひともおそらく少なくないだろう。以下では、その理由を私なりに考えてみたい。

 まずバーチャルアイドルの歴史をざっとおさらいしておこう。

 さかのぼれば、バーチャルアイドルの発端は、1989年に伊集院光のラジオ番組で彼がリスナーとともにアイデアを出し合うところから生まれた芳賀ゆいあたりになるだろう。彼女は架空の存在だが、ラジオ出演、歌手、写真集、握手会などその時々で違う女性たちが役割を務め、あたかも「芳賀ゆい」というアイドルが実在するかのように見せていた。

 ここで重要なポイントは、「ファン=プロデューサー」になったということである。平たく言えば、ファンが望むようなことを素直にやってくれるところにバーチャルアイドルの魅力がある。この後、恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』のキャラクター・藤崎詩織や大手芸能プロダクションがデビューさせた伊達杏子などのバーチャルなアイドルが登場するが、それらはすでに出来上がった既製品として提供された。その点、「ファン=プロデューサー」の願望を十分に満たしてくれるものではなかった。

 そう考えると、2007年に音声合成ソフトから生まれた初音ミクが、ファンにとっていかに画期的なアイドルだったかがわかる。提供される素材をもとにユーザーが自分の好みでバーチャルアイドルを作り出せる。しかもインターネットの動画共有サイトで独自にファンを獲得することもできる。一般のファンが、プロデューサーの域を超えて造物主に近い感覚すら味わえるようになったのである。

 一方、こうしたバーチャルアイドルが人気になった背景には、応援するファン側の安心感を得たいという心理が働いているだろう。

 平成における生身のアイドルは、AKB48などのようにドキュメンタリー性が重視され、波乱万丈の物語を生きるようになった。そしてそのなかで努力し、頑張る姿にファンは共感する。だがそのおかげでファンは感動を味わえる一方、スキャンダルや卒業・引退など不測の事態に備え、いつも不安な気持ちでいなければならない。だが生身ではないバーチャルアイドルは、その点安心して応援できる。

 そうした安心感は、ジャニーズがショービジネスの世界でこれまでずっと提供してきたものでもある。歴史をたどれば明らかなように、ジャニーズの原点にはミュージカルを中心にした舞台がある。それは、現実の世界から離れて安心して楽しめるエンターテインメントの世界である。まずその点で、ジャニーズとバーチャルアイドルは相性が良い。

 加えて近年のジャニーズは、本格的にネットの世界へと活動の場を広げ始めている。その意味では、ジャニーズがバーチャルアイドルというアイデアにたどり着くのは必然だったとも言える。

      

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