関西ジャニーズJr.たちの向上心の源にあるもの 密着ドキュメンタリー第3回を見て
関西ジャニーズJr.に密着した連続ドキュメンタリー『RIDE ON TIME~時が奏でるリアルストーリー~』(フジテレビ系)が、2月22日に第3回目の放送を迎えた。今回は2018年11月30日~12月25日に行なわれた『関西ジャニーズJr.「X'mas Party!! 2018」』の様子がメインとなる放送内容だ。
番組冒頭、向井康二が「一人ひとりのキャラがハッキリしているのが関西ジャニーズJr.の武器だと思う」と語った通り、歌やダンスの他にも楽器や笑いなど様々な特徴を持っているメンバーが集っている関西ジャニーズJr.たち。今回は、そんな彼ら一人ひとりにスポットが当たっていた。
まずは、なにわ男子・大橋和也。ハイトーンボイスを持つ彼は、『関西ジャニーズJr.「X'mas Party!! 2018」』でマライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You」を披露することになっていた。というのも、プロデュースを務める関ジャニ∞・大倉忠義が大橋のハイトーンボイスに目をつけたためである。「イケる! 大丈夫、大丈夫」と声をかける大倉だが、当の大橋はいささか心配そうな表情。公演初日、「緊張します」とつぶやく大橋は1人で舞台に登場。大橋の歌声で幕が上がった。……が、「All I Want For Christmas Is You」の特徴でもある高音は出さずじまい。だが、全体の歌声の印象としては綺麗にまとまっていたように感じる。しかし、大橋の顔に笑顔はない。求められたものに応えられなかったことを悔やんでいたのである。
大橋の歌はピッチも正確で、表現力もあるように聴こえるが、自身は「すごい下手くそやなって」という評価。「多分(チャンスは)一回しか無いと思うんですよ。チャンスをものにしたいし、頑張らなあかんなっていう気持ちがあったんで」と語る大橋からは、向上心と共に焦りも感じる。しかし、この焦りこそがより高みを目指し続ける大橋の姿勢を生み出しているのかもしれない。
次は、ギターが強みの正門良規。「(ギターを弾けても)アイドルのわりには、みたいな見方をされると思う。そこをちょっと超えるじゃなくて、圧倒的なもので超えたい」と語る正門は、集合時間の20分前には現場入りするほどの実直な性格。そんな彼だからこそ、プロのレッスンを受けるなど努力し続けられているのだろう。実際、彼らのバンド演奏は、大倉が「すごい」と驚くほど。正門の努力は、着実に身になっていっている。
そして、関西ジャニーズJr.最年長の室龍太。主に舞台で活躍する室は、2019年2月1日から17日まで、舞台『天下一の軽口男 笑いの神さん 米沢彦八』に出演。制作発表に参加し、取材を受ける様子が放送されていた。取材の中で、役と自分の共通点と問われると「挑戦していること。売れたろうという思いは似ていると思います」と答えていた室。着々と舞台出演をしている室だが、心の中にはハングリー精神が渦巻いているのである。
向上心の塊のような関西ジャニーズJr.だが、最初から全員が同じ意識を持つとはいかないようだ。番組内で、なにわ男子の藤原丈一郎は、関西ジャニーズJr.の奥村颯太に『関西ジャニーズJr.「X'mas Party!! 2018」』のバラエティコーナーのネタを考えてほしいと頼んだと話す。その連絡を受けた次の日、奥村はすでに6つのネタを提出。この高い意欲が藤原のなにわ男子に対する不安を刺激したようだ。