輝夜 月、未知の体験尽くしな1st VRライブ 仮想空間のライブハウスに舞台表現の最先端を見た

輝夜 月、未知の体験尽くしな1st VRライブ 仮想空間のライブハウスに舞台表現の最先端を見た

 バーチャルタレント輝夜 月のファーストライブが8月31日、仮想空間「Beyond the Moon」内にオープンしたライブハウス「Zepp VR」にて行われた。YouTubeのチャンネル登録者数は80万人を突破、動画再生数は平均81万回を誇る、大人気のバーチャルYouTuberというだけあり、7月14日に発売されたチケットは即完、急遽全国15館の映画館でライブビューイングが催されることとなった。今回は、新宿バルト9で行われたライブビューイングの模様をレポートする。

フォトグラファー:HiroakiAizawa

 開演し、スクリーンに映し出されたのは赤・青・黄色のブロックが積まれたカラフルな舞台。前説に現れたのは動画でもおなじみのジャスティン・エビーバーとパブロッコリー(正式名称はとても長いので省略)だ。ちょこまかと動きながら、「まわりに注意して楽しむこと」「体調が悪くなったらVRグラスを外すこと」など、これから始まる世界初のVRライブを楽しむうえでの注意点を解説した。エビーバーたちが去ると、会場に牧歌的な音楽が流れ出し、ステージに輝夜 月が登場。音楽に合わせた「VRラジオ体操」を披露した。「懐かしの……パラパラ!」「バレリーナ!」などと、輝夜 月らしい自由形のラジオ体操に、仮想空間の参加者たちも体を動かしていた。

 Zepp VRに入場した参加者たちはエビーバーを模したアバターとなっている。手足を動かすほかにも、舞台に対してサイリウムを振ったり、拍手をしたりといった「エモーション」と呼ばれるアクションを返せる仕組みがあり、これによって演者と観客のコールアンドレスポンスを可能にしている。

 準備体操が終わると、輝夜 月はステージの隅から落下して一度退場、軽快な音楽とともにこれまでの彼女の経歴を振り返る動画が上映され、過去に投稿した動画の印象的なシーンと、チャンネル登録者数の推移を伝えた。動画の上映が終わり、拍手のエモーションが鳴り止まぬ中、80年代テクノポップの旗手であり、インタラクティブ・ライブの始祖、平沢進を思い出す重厚なSEが流れ出すと、舞台の上から巨大なミラーボールが降りてくる。ミラーボールがパカッと開き、中から落ちてきたのは輝夜 月。彼女の声が会場に響いた。

「あーあー マイクチェックマイクチェック?」

 ライブ前日に公開された彼女のオリジナルファーストソング、「Beyond the Moon」が始まった。2000年代半ばから2010年代初頭にかけてラウドロックシーンを牽引したバンド・Pay money To my Painのギタリスト、PABLO a.k.a. WTF!?氏が作曲/プロデュースを担当しており、作詞は輝夜 月本人が行っている。ポップでキュートで破壊的な彼女らしい楽曲を、観客のアバターたちもサイリウムのエモーションで盛り上げる。ビューイング会場にもサイリウムを持ち込む観客がいて、会場を彩っていた。

フォトグラファー:HiroakiAizawa

 「Beyond the Moon」を披露した後のMCでは未だ緊張があることを語りつつ、彼女の動画で定番の挨拶となっている「おはよー! こんちはー! こんばんはー!……起きてえええええ!」を、観客とともに行い、一体感を高めた。今日のライブの開催について、観客への感謝を伝え、「みんなは、どんな時に幸せだなあって感じますか?」という問いかけからいきなりの2曲目がスタート。曲の始まりとともに彼女の立つブロックが火を吹いて宙に浮き、縦横無尽に飛んでいく。歌うのは椎名林檎のカバー「幸福論」。1998年に発売された同曲が20年後、VR空間でカバーされることに驚きつつ、疾走感のあるアレンジで生き生きと歌い上げられていたことに、その色褪せない魅力を再認識した。

 2曲目を歌い終わると会場は暗転し、同時にビジョンのテロップよりアンコールが促される。VR会場ではエモーションが、ライブビューイング会場では歓声がアンコールを求めて湧いた。

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