寿君の“仲間”を引き寄せる力 TAK-Zと當山みれいも登場『NEW LEVEL TOUR』ファイナル
寿君が11月10日、Shibuya O-WESTにて『NEW LEVEL TOUR 2018』ファイナル公演を行った。10月14日の仙台を初日に、名古屋、福岡、大阪と全国五カ所で開催され、寿君にとって2年ぶりとなる全国ツアーだった。
寿君は2006年、出身地である奈良県でMOUNTAIN KINGとしてキャリアをスタート。レゲエ激戦区・関西エリアで数々の現場をこなし、スキルを磨いてきたレゲエMC/DEEJAYだ。2010年に寿君に改名、2012年に『コトブキイズム~DR.BEATZ COLLECTION~』でアルバムデビュー。着実に注目度と知名度を上げるなか、2018年にメジャー初アルバム『ニューレベ』をリリースした。この日のライブでは『ニューレベ』の楽曲をはじめとした新旧22曲を披露、かけがえのない仲間たちとともに華々しいステージを展開した。
ライブ中のMCでも触れられていたが、寿君にメジャーへのチャンスをつないだのが、レゲエサウンドクルー・SPICY CHOCOLATEのKATSUYUKI a.k.a. DJ CONTROLERなのだという。ライブはそんな兄貴分のDJから幕を開けた。SPICY CHOCOLATEを代表する「ずっと」、寿君がMs.OOJAとフィーチャリングした「キミと未来」、前日に10周年ライブを行ったHAN-KUN参加の「君のことが好きだったんだ」、この日のゲストTAK-ZがSHOCK EYEとコラボした「つたえきれない」をプレイしてフロアを温めた。
全国ツアーをともにまわったバックDJ・INKYO(BROCK BUSTER)の呼び込みで、寿君が登場。ポジティブなメッセージが詰め込まれた「SPECIAL THANX」を歌う寿君の眩しいほどの笑顔が印象的だ。友人との関係を歌った「オレトオレバ」のメッセージは、そのままファンとの関係性にも置き換えられる。トロピカルなナンバー「曇りのち晴れ」まで続く序盤から大きなシンガロングが起こるフロア。一緒に歌って、笑って、楽しむのが寿君のライブのスタイルだ。
一方で、真っ直ぐすぎるほどの熱さを持ち合わせているのも寿君が多くの人から支持される理由のひとつ。「喜怒哀楽を共感しましょう。幾千もの試練をこんな気持ちで頑張っていきたい」と告げて歌われた「ミチニイキル」、自らを鼓舞するような「WINNER」などにその人柄がよく表れている。軽快な「自由に舞う」を挟むと、雰囲気は一変。「TOUCH INNA JAMAICA」「SUMAHH!」「ハニーちゃん」と、幻想的で甘い歌声や、夏の訪れの高揚感をステップを踏んで表現するなど、曲に合わせたパフォーマンスで歌の世界観を伝えていく。
寿君と“運命共同体”のレゲエシンガー・TAK-Zが登場すると、「出会った頃のままで。」「あれから二人は。」の披露へ。励まし合いながら歩んできた二人の強い絆を感じさせる息の合ったパフォーマンスに会場の熱気がさらに高まる。また、ステージに残ったTAK-Zが自分のことのように感謝を伝える一幕も。「寿の幸せは自分の幸せ」と言い切れるのは二人の関係が本物であることの証だ。當山みれいが登場しTAK-Zと歌った「ひとつだけの」のあと、當山は寿君を「愛情を擬人化したような人」と絶賛。多くの仲間の存在は寿君の人間的な魅力があってこそなのだろう。再びステージに戻った寿君と當山で「キカセテホシイ」をデュエットすると、そのままラブソングパートに突入。「SUMMER LOVE」「大阪X’mas Eve Lover」をしっとり歌い上げた。
ライブ後半には、寿君から熱いメッセージが送られた。なかなかうまくいかなかった過去を受け入れながらも前に進もうとするその姿は実直そのもの。自らが“レゲエの入り口”になれるよう、またみんなの活力になれるように努力していくことを誓いながら、「ここに来てくれた人は裏切りたくない」と言って「Believe in myself」を歌唱。高らかに何度も掲げたピースサインが心に残る。寿君を“二ューレベル”へと導いたメジャーデビュー曲「一人じゃない」から「オレガヤレバ」で大合唱が起こるなか、TUBEのカバー「あー夏休み」MVにも登場したダンサーJAKEN率いるJA TO JAとともに同曲を披露して本編を終了した。