氷川きよし、なぜ『ゲゲゲの鬼太郎』OP&EDに抜擢? 50年受け継がれてきた主題歌から考える

氷川きよし、なぜ『ゲゲゲの鬼太郎』OP&EDに抜擢? 50年受け継がれてきた主題歌から考える

氷川きよしが引き継いだ、50年受け渡されてきた駅伝のたすき

 EDテーマ「見えんけれども おるんだよ」は、実にユニークな楽曲だ。まるでGSのようなエレキギター、怪しさを醸し出すストリングスとシンセ。三味線や太鼓の音色も印象的で、間奏では三味線やジャズピアノ、管楽器のソロもあり、後半にはなんとブレイクビーツまで飛び出す。作曲は、氷川が歌う「ゲゲゲの鬼太郎」をアレンジした田中公平が手がけている。この田中公平は、伝説のアニメ『トップをねらえ!』を皮切りに数多くのアニメ作品の劇伴を担当し、近年はアニメ『鬼平』の劇伴やTVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』第1部OPテーマ「ジョジョ ~その血の運命~」を作曲したアニメ音楽界の大御所だ。歌詞の中に呼子、白うねり、袖ひき小僧、目々連など、妖怪の名前がずらりと登場するのもポイント。歌う氷川の声も、どこかユーモアを交えながら楽しそうで、それを聴いた子どもたちが、嬉しそうに口ずさむ様子も目に浮かぶ。作詞を担当したのは、水木しげるの実娘である水木悦子。実は、水木しげるが作詞した第1シリーズのEDテーマ「カランコロンの歌」と、今回の「見えんけれども おるんだよ」は、どちらにも“妖怪はどこかにいるんだよ”という共通したテーマ性がある。50年の時を経て、原点をオマージュしながら、OPとEDの歌詞で水木親子が共演しているという点も、どこかドラマチックに感じてならない。

 ビートたけしに命名された時から、チャレンジの連続だった氷川きよしのキャリア。デビュー翌年の2001年には、KIYOSHI名義で河村隆一プロデュースによる「きよしこの夜」をリリース。以降KIYOSHI名義の活動を断続的に続けながら、昨年はGReeeeNとのコラボ曲「碧し」や、TVアニメ『ドラゴンボール超』(フジテレビ系)の主題歌「限界突破×サバイバー」をリリースして、氷川ファンだけでなく『ドラゴンボール』ファンも驚かせた。この流れに加えて、本人が『ゲゲゲの鬼太郎』の大ファンだと公言しているのだから、「ゲゲゲの鬼太郎」を歌うのは必然だったとも言える。これまで日本レコード大賞など数多くの賞に輝き、18年連続で『NHK紅白歌合戦』に出場するなど様々な功績を残しつつ、子どもたちにも認知されている国民的演歌歌手は他にはいない。50年にわたり駅伝のたすきのように受け渡されてきた、「ゲゲゲの鬼太郎」という楽曲を引き継ぐだけの実力とインパクトが、氷川きよしにはあるのだ。

■榑林史章
「THE BEST☆HIT」の編集を経て音楽ライターに。オールジャンルに対応し、これまでにインタビューした本数は、延べ4,000本以上。日本工学院専門学校ミュージックカレッジで講師も務めている。

氷川きよし『ゲゲゲの鬼太郎/見えんけれども おるんだよ』

■リリース情報
氷川きよし ニューシングル『ゲゲゲの鬼太郎/見えんけれども おるんだよ』
発売中
価格:1,204円(+税)

<収録曲>
1.ゲゲゲの鬼太郎(作詩:水木しげる/作曲:いずみたく/編曲:田中公平)
2.見えんけれども おるんだよ(作詩:水木悦子/作曲:田中公平/編曲:田中公平、東大路憲太)
3.ゲゲゲの鬼太郎(TV SIZE)
4.見えんけれども おるんだよ(TV SIZE)
5.ゲゲゲの鬼太郎(オリジナル・カラオケ)
6.見えんけれども おるんだよ(オリジナル・カラオケ)
7.ゲゲゲの鬼太郎(TV SIZE オリジナル・カラオケ)
8.見えんけれども おるんだよ(TV SIZE オリジナル・カラオケ)

■アニメ情報
『ゲゲゲの鬼太郎』
毎週日曜あさ9時~9時30分フジテレビ他にて放送中(一部地域を除く)
出演者:沢城みゆき/鬼太郎、野沢雅子/目玉おやじ、古川登志夫/ねずみ男、庄司宇芽香/ねこ娘、藤井ゆきよ/犬山まな、田中真弓/砂かけばばあ、島田敏/子泣きじじい・ぬりかべ、山口勝平/一反もめん
原作:水木しげる
プロデューサー:狩野雄太(フジテレビ編成部)、佐川直子(読売広告社)、永富大地(東映アニメーション)
シリーズディレクター:小川孝治
シリーズ構成:大野木寛
キャラクターデザイン・総作画監督:清水空翔
音楽:高梨康治、刃-yaiba-
制作:フジテレビ・読売広告社・東映アニメーション
(c)水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション

■関連リンク
氷川きよし レーベルサイト

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